新幹線と沿線の住民・地方行政をめぐる諸問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 15:13 UTC 版)
「鉄道と政治」の記事における「新幹線と沿線の住民・地方行政をめぐる諸問題」の解説
新幹線の建設ルートから外され「疲弊した地方」の象徴的な存在といえるのが先述の長野県小諸市のほか、鹿児島県阿久根市が挙げられる。また、新幹線ルート上にあっても駅が設置されなかった自治体では、地域の発展から、自らの自治体が取り残されることを恐れ、新幹線開通後にも地元への駅新設が、市政における大きな課題となることが珍しくない(例:長野県千曲市)。 他方では、新幹線開業で大都市への交通が至便となった結果、地方から企業支店・出張所が撤退したり、若年層が流出していくストロー効果も生じつつある(この現象は日本の高速道路の建設でも同様に発生している)。一例としては、福井県鯖江市では北陸新幹線越前たけふ駅から遠くなることを懸念して、「特急サンダーバード・特急しらさぎの存続を実現する会」が活動している。 整備新幹線開業に際しては、並行在来線を第三セクター鉄道として地元負担で維持する必要も生じたが、大きなパイである拠点間輸送が新幹線に移行した結果、ローカル輸送頼みの並行在来線は経営基盤が脆弱化し、各地の地方自治体が多額の費用拠出を強いられるなどして対応に苦慮している。 また、福井県においては原子力行政と絡められ、原子力発電関連施設(敦賀市のもんじゅ)の運転再開への事実上の交換条件として、日本国政府による「北陸新幹線の敦賀駅までの建設決定」という言質を、福井県知事の西川一誠が強硬に要求したことがある。
※この「新幹線と沿線の住民・地方行政をめぐる諸問題」の解説は、「鉄道と政治」の解説の一部です。
「新幹線と沿線の住民・地方行政をめぐる諸問題」を含む「鉄道と政治」の記事については、「鉄道と政治」の概要を参照ください。
- 新幹線と沿線の住民地方行政をめぐる諸問題のページへのリンク