新タワー建設自体の是非と立地を巡る議論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 03:28 UTC 版)
「東京スカイツリー」の記事における「新タワー建設自体の是非と立地を巡る議論」の解説
関東圏に新しく電波塔を建設することの利点と問題点が議論されていた。 北関東では、地理的条件で宇都宮(宇都宮タワー)・榛名(前橋テレビ放送所)波が受信できず、タワー波の受信レベルでさえ低い地域でも、地上デジタル放送を受信することができるようになる。県域局のTOKYO MXが茨城県などで混信の少ない16チャンネルへ変更となり、さらにスカイツリーへ今のままの送信出力・指向性なしで移転することで、実質的にエリアが拡大することが期待されていた。一方でTOKYO MXは、親局を東京スカイツリーに移し、東京タワー以上に高い位置から送信することで、都内全域に放送を届けられるようになるが、その分スピルオーバーが大規模に発生するとして、近隣県の独立放送局から反発を受けていた。 過去に秋葉原地区でテレビ塔建設の検討を行った際に、「電波塔直下において、高感度の受信機ではノイズ等が発生するおそれがある」が建設中止の理由の一つであった。このため、東京スカイツリーでも同様の懸念がある。 東京タワーと異なる場所になるため、テレビアンテナの向きを変える必要があるのではないかという質問 が多数寄せられたが、総務省・日本放送協会技術部などの見解は「問題なし」 である。2009年(平成21年)までのシミュレーションによると、スカイツリーに対して一番受信しづらい90度の向きであっても十分な電界強度が得られる。ただ、ごく近隣での受信では減衰させるアッテネータを使用したほうが安定する場合もある。 アンテナの向きに関して、総務省は情報通信審議会情報通信政策部会「第42回地上デジタル放送推進に関する検討委員会」(2009年(平成21年)1月16日開催)において、「関東広域圏の地上デジタル放送の親局が、東京タワーから東京スカイツリーに移行することによる視聴者への影響は、ほとんど無いであろう」との見解を示した。東京23区内は電波の強度が強く、アンテナが東京スカイツリーに向いていなくても地上デジタル放送の番組を視聴できる可能性が高く、また東京タワーや東京スカイツリーから離れている地域については位置関係が相対的に変わらないため、視聴者に与える影響はほぼ無いだろうとの見方が示されていた。しかし、実際には後述のような電波障害が発生し、移行スケジュールに大きな遅れが生じた。
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