新たな遠征への準備
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/21 19:47 UTC 版)
「新アッシリア帝国の軍事史」の記事における「新たな遠征への準備」の解説
新たな軍事遠征への準備のためには、まず始めに、そして最も重要なこととして、指定された拠点に部隊が集まる必要があった。アッシリアでは、指定場所にはニネベやカルフ(ニムルド)、あるいはコルサバード(ドゥル・シャルキン)も含まれた。時に、遠征目的地に応じて集合地点は変更された。知事たちは、小麦や油などの軍事物資を集めるよう指示されほか、必要な人員の召集も要求された。とりわけ臣下に対しては、アッシリア王への貢納の一部として、適切な時に部隊を派遣することが求められ、到着しない場合はほぼ確実に、反逆行為と見なされた。 王と護衛隊が到着すると準備段階は終わり、軍隊は遠征の目的地へと移動を開始する。軍隊は、秩序を保ちながら行進した。先頭を、神を表す軍旗が歩く。これは、アッシリア王が彼らの主神アッシュルの下僕であることを知らしめるものだ。これに続くのはアッシュル神の謙虚な下僕である王であり、軍の精鋭である戦車部隊と騎兵隊に支援された護衛兵に囲まれて進む。その後を歩兵が進んだ。アッシリアの部隊と、征服された民による兵士が続くのである。これに攻城兵器、補給部隊、そして非戦闘員が続くこともある。このような配置は、後方からの攻撃に対して非常に脆弱である。ある縦隊は、1日に30マイル(約48.3km)進むことができた。そのような速度による行軍は、敵を驚かせるとともに、恐れをなして降伏させることを目的としていた。
※この「新たな遠征への準備」の解説は、「新アッシリア帝国の軍事史」の解説の一部です。
「新たな遠征への準備」を含む「新アッシリア帝国の軍事史」の記事については、「新アッシリア帝国の軍事史」の概要を参照ください。
- 新たな遠征への準備のページへのリンク