数学におけるその他の用法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 05:21 UTC 版)
集合論では 0 は空集合の濃度である。ある人が林檎を一つも持っていないならば、その人は 0 個の林檎を持っている。実際のところ、集合論から展開されるある種の数学では 0 は空集合のこととして定義される。こう定義したとき、0 としての空集合は元を持たない集合としての空集合に対するフォンノイマンの基数割り当て(英語版)であり、空集合に対する濃度は 0 個の元を持つという意味が割り当てられた値としての空集合を返す。 同じく集合論で、0 は最小の順序数であり、空集合を整列集合とみなしたものに対応する。 命題論理では 0 を真理値が偽であることを表すのに用いる。 抽象代数学では 0 は一般に(考えている構造において定義されているならば)加法に関する単位元としての、あるいは乗法に関する吸収元としての、零元を表すのに用いられる。例えば線型代数学において零写像 0, すなわち定義域 V の任意の元を値域 W の零ベクトルに写す線型写像は、V から W への線型写像の成す線型空間 Hom(V, W) の零元である(零射も参照)。また零行列を 0 で表すこともある。 同じく抽象代数学において、零元のみからなる部分代数系 {0} を 0 で表すことがある。(零対象 (代数学)(英語版)も参照) 束論では 0 は有界束の最小元を表すのに用いられる。 圏論では 0 は圏の始対象(特に零対象)を表すのに用いられる。 ゲーデル数では、0 は空文字列を意味する。
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