放送権契約
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/09 18:10 UTC 版)
「2015年FIFA汚職事件」の記事における「放送権契約」の解説
さらに、アメリカの司法当局によれば2013年から2014年にサッカーの南米選手権である「コパ・アメリカ」の放映権をめぐって、総額1億1000万ドル、日本円にして、およそ136億円の賄賂を支払うという契約が結ばれていた。この契約は2015年から2023年までの間に行われることになっている4つの大会につき、マーケティングの会社と南米サッカー連盟の間で結ばれ、この1億1000万ドルの賄賂のうち4000万ドルは、起訴されているFIFAのジェフリー・ウェブ副会長などの幹部らにすでに支払われた。 さらに、アメリカの司法当局の起訴状によれば、FIFAの元理事であるニコラス・レオスがブラジルのトラフィックというスポーツ会社の創業者に対し、「スポーツ関連会社だけがもうけるのは不公平だ」と述べて、賄賂を渡さなければ契約はしないと伝え、これにより、1997年までの3大会にわたり、サッカーの南米王者を決定するコパ・アメリカでの試合の放送や広告を巡る権利を一括して得るのに便宜をはかり、その見返りに、賄賂を要求していた。その後もレオス元理事は繰り返し賄賂を要求し、その結果、当初は日本円で数千万円だった賄賂が、2011年には数億円にまでつり上がった。 アメリカの司法当局の起訴状によれば、このうちブラジルサッカー連盟のジョゼ・マリア・マリン前会長らが「コパ・ド・ブラジル」というブラジル国内のサッカー大会にて、2013年から2022年までの商業的権利の選定を巡って、便宜を図る見返りにブラジルのスポーツ関連企業「トラフィック」とそのライバル会社に賄賂を要求した疑いが持たれていて、しかも、この談合によって利益を分け合うことで合意、賄賂も2社で分担していた。マリン前会長らは、この2社から日本円にしておよそ1億2000万円の賄賂を受け取っていた。 2013年、トラフィックはいずれもアルゼンチンに本社を置く「フルプレーグループ(スペイン語版)」「トルネオス」との合弁でダチザ社を設立した。さらに、1大会ごとの賄賂が2000万ドルとして、分配先も決めた。内訳は南米サッカー連盟の会長と、ブラジル、アルゼンチンの連盟会長の3人がそれぞれ、300万ドル、その他の加盟国の連盟会長がそれぞれ150万ドルだった。また、賄賂の総額である1億1000万ドルのうち、4000万ドルは既に支払われていた。 しかも、「トラフィック・スポーツUSA」の44歳の幹部が北中米カリブ海サッカー連盟が主催する大会のスポンサー権をめぐり、便宜を受けるその見返りとして、連盟幹部に対し賄賂を渡す行為に関与していた。この44歳の幹部は関連するグループとFIFAとの間の契約を維持するために、FIFAのジェフリー・ウェブ副会長に対し、数百万ドル(日本円で数億円)を渡す行為に関与したとされている。また、ほかにも他の人と共謀し、2016年に予定されている南米選手権のアメリカ大会の放映権を取得するその見返りに、FIFAのジェフリー・ウェブ副会長らに対し、賄賂を贈っていた。
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