推理小説の誕生
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1841年、アメリカのエドガー・アラン・ポーが発表した短編「モルグ街の殺人」が推理小説の始まりだとされる。チャールズ・ディケンズの『バーナビー・ラッジ』も純粋な推理小説ではないが、作中にミステリー要素がある。未完に終わったディケンズ晩年の『エドウィン・ドルードの謎』は、のちに多くの作家が「解決編」の作成を試みている。 1866年、エミール・ガボリオは仏訳されたポーの作品群に影響を受け、世界最初の長編推理小説「ルルージュ事件」を発表。 イギリスではウィルキー・コリンズが、1860年にスリラーの大長編『白衣(びゃくえ)の女』、1862年には謎をテーマにし、ミステリに近い長編『無名(ノーネイム)』を出版した。そして1868年に、「英語で書かれた初の長編推理小説」といわれる『月長石(月神の宝石)』 を発表している。 1878年、アンナ・キャサリン・グリーンは、処女長編『リーヴェンワース事件』を出版、世界で初めて長編推理小説を書いた女性と言われている。また、ヴァイオレット・ストレンジというフィクションにおける「世界初の女探偵」(世界初の女刑事はバロネス・オルツィ(オルツィ女男爵)が創造したレディ・モリー)が活躍する短編集でも知られる。 1882年、リチャード・ストックトンは、「女か虎か」を発表し反響を呼ぶ。物語中に謎が提示され、解決は読者に委ねるというリドル・ストーリーの典型として有名である。他の作品に「三日月刀の促進士」などがある。 ガストン・ルルーの『黄色い部屋の秘密』は、フランスの挿絵入り新聞『イリュストラシオン』で連載され、密室ものの古典とされる。続編として『黒衣夫人の香り』が存在する。
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