採光の手法・技術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/17 09:54 UTC 版)
採光には古くから窓が用いられてきたが、近年では鏡面・ガラスなどの反射を巧みに利用し、奥まった場所に光を導入する技術も開発されている。 窓 最も一般的な手法である。壁に開口を設け、室内に太陽光を導入する。天井に穿った開口を天窓 (トップライト、頂光採光) とよぶ。天窓は壁に設ける窓よりも採光の効率が高いとされる。天井付近の高い位置に鉛直方向に設けた窓をハイサイドライト (頂側光採光) と呼び、部屋の奥まで光が届きやすくなるという利点がある。窓ガラスとして用いられる「すりガラス」は、視線を遮りながらも光を通すという、もっぱら採光に徹した材料であり、また、開閉のできないはめ殺し窓は、採光や視線の確保のみを目的としたものである。 明障子 日本の伝統的な建具である障子のうち、木枠に和紙などの紙を張り、光を通すようにしたものが明障子(あかりしょうじ)である。平安時代末期に誕生し現代まで用いられ、日本の建築文化の象徴的な存在となっている。窓のように建物の開口部から光を取り入れるだけではなく、廊下と部屋、あるいは部屋と部屋など、より屋内へ向けた採光にも用いられることがある。 ドライエリア 地下室で採光・通風を可能とするために設ける「空掘(からぼり)」のことである。地下室の周囲を掘り下げることにより、本来採光の困難な地下室に開口を設けられるようになる。 光庭 コートヤードとも呼ばれる。建築物の内部に採光目的で設ける中庭をとくにこう呼ぶ。平面的に規模の大きな建築物では内側の自然採光が困難となりがちであるという問題を解消する策のひとつである。 プリズムライトガイド 微小なプリズムを組み合わせた形状のパイプを通し、光を導入する技術。1990年代に開発された技術である。 光ファイバーなどによる導入 屋根など、太陽光を受け易い場所に集光装置を置き、受けた光を光ファイバーなどで室内に伝えるという手法がある。誘導された光は、照明器具に準じた形の装置から室内に拡がる。窓からの光を得にくい奥まった部屋や、採光の困難な地下室にも、電気などのエネルギーを使わない採光効果をもたらすことができる。集光装置に自動的に太陽を追尾する機能を付加し、より効率を高めたものもある。 反射板 高層建造物の吹き抜け空間(アトリウム)の天井部分から太陽追尾装置のついた反射板により光を取り入れる手法。天窓の機能を増強するものである。
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