授業再開と学内平常化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/20 09:01 UTC 版)
「筑波移転反対闘争」の記事における「授業再開と学内平常化」の解説
4月19日、全学闘は渋谷の山手教会で「教育大闘争報告集会」を開催し、多くの学生が集まった。5月22日、これまで移転反対闘争で表面に出ていなかった体育学部では、学生大会を開こうとしたが、学部側はその中止を求めた。これに抗議した体育学部闘争委員会が、午後10時ごろ体育学部本館を封鎖した。しかし、1時間後には学部長が機動隊を要請して封鎖が解除された。 6月23日、全学闘が「キャンパス奪還」のため大塚構内に突入し、多くの逮捕者を出した<新聞記事>。「奪還闘争」は数次にわたって行われたが、この日の逮捕者は最多であった。7月4日、マスタープラン委員会が評議会に移転計画を答申したのに対し、全学闘は大塚構内で抗議闘争を行った。9月17日には、結成された全国全共闘による第1回目の行動として教育大奪還闘争(大塚公園を起点)が行われた<新聞記事>。このような学生の動きは、しかし、もはや学外に放逐されてしまっていたわけで、大学の管理運営にはいかなる影響も与えることはできなかった。 むしろ事態は、授業再開と学内平常化に向かっていた。学生でも、民青系は、むしろその方向を目指していた。9月30日には、民青系学生主導下に文学部学生大会を東大教養キャンパスで開き、ストライキ解除を決定したのである。全学闘側は、この動きには関与しなかった(関与しようとすると、民青系に実力で敵対される情勢だった)。 7月31日には、教職員有志518人が移転決定強行に抗議声明を出すという動きもあった。しかし、8月6日には文学部教授会がツーキャンパス論を放棄した。また9月16日に文学部教授会が授業を再開しようとしたが、学長代行は検問なしの学生の入構は認められないとして学生の入構を認めなかった。このことから、10月6日には文学部教授会が、学長代行の要求に応じ、授業再開の要件として、学生による「誓約書」への署名と、それと引き換えの「入構証」を持つ者だけを構内に入れる検問を承諾した<新聞記事>。これにより「誓約書」「入構証」方式による文学部の「正常化」が始まった。学長代行の思う通りの「正常化」であった。
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