振り駒のしかた
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/30 14:16 UTC 版)
まず両対局者が盤上に初期配置で駒を並べる。先手・後手の決まっていない対局の先後の決定は、記録係が原則として、上座の対局者の歩を5枚振って決める。記録係は、振り駒の前に両対局者に確認してから振り駒をする。振り駒の結果、「歩」が多く出たら上座の先手、「と金」が多く出たら下座の先手とする。 記録係がいない場合はいずれか一方の対局者(一般的に上座、上位、目上など)が自分の側の歩兵を5枚取って手のひらの中でよく振り混ぜ、盤上か近くの床やテーブルに軽く落とす。 表(「歩」と書かれた面が上)の枚数が多いときは振った側が先手 裏(「と」と書かれた面が上)の枚数が多いときは振った側が後手 となる。 振った駒が重なったり、立った場合は、その駒を数えず残り駒で決定する。その際、「歩」と「と金」の枚数に差さえつけばそれによって決定するルールと、「歩」と「と金」のどちらかが3枚以上出て初めてそれによって決定することができるルールがある。「歩」と「と金」が同数になった場合や、後者のルールの場合に「歩」と「と金」のどちらも2枚以下しか出なかった場合は、再度振り駒をする。 参考までに、駒が重なった場合、重なった上下の駒をすべて数えないという考え方と、重なった上の駒は数えないが重ねられた下の駒は数えるという考え方の2つの考え方が存在するため、アマチュア将棋大会などで稀に対局者同士が混乱する場面が見られる。また、盤上で振った駒が振り駒以外の駒に重なった場合は通常通り数えてよいとする見解が多い。大会などに参加する場合はルール説明時などに確認しておくとよい。 また、日本将棋連盟の対局規定には駒が重なった場合の規定があるが、具体的にどの駒を数えないか詳細は記載されていない。 「表(歩)の枚数が多い場合に駒を振った側が先手となること」を略して振り歩先(ふりふせん)という。実際の対局では、駒を並べる前に振り駒をしたり、3枚か1枚の歩兵で代用したりすることも多い。一般的に年下が行う傾向にあるが、上位者(年齢や実力、地位など)が行うのが正式な作法である。また、素人の非公式の対局では、振り駒を採用せず、じゃんけんで勝った方が先手・後手を選べる権利を持つ(もしくは、勝った方が必然的に先手)方法もある。
※この「振り駒のしかた」の解説は、「振り駒」の解説の一部です。
「振り駒のしかた」を含む「振り駒」の記事については、「振り駒」の概要を参照ください。
- 振り駒のしかたのページへのリンク