振り香炉を用いた炉儀
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/02/27 21:29 UTC 版)
正教会では、パニヒダ、埋葬式、婚配機密(結婚式)、晩祷、聖体礼儀、その他の公祈祷において、振り香炉を用いた炉儀(ろぎ)が行われる(ギリシャ系の正教会では振り香炉ではなく手持ち香炉が用いられる事もある)。炉儀を行うのは神品(主教・司祭・輔祭)である。輔祭がいる場合には輔祭が最も頻繁に用いる。炉儀は行う者の体に対して振り香炉が縦に振られて行われる。 炉儀にはイコンなどに対する崇敬と祈りの象徴的行為であると同時に、神による創造に由来する人間の中にある神性への敬意を象徴するという、精神的意味合いが込められている。 そのためその対象となるのは、聖体、不朽体、宝座、イコン、イコノスタシスなどといった崇敬の対象にとどまらず、神品、誦経者・詠隊などの奉仕者、そして参祷者全員である。神品、参祷者は炉儀が自らに向けて行われた場合、お辞儀をして答礼を行い、謙遜の意を表す(主教は炉儀を行っている者に対して祝福を与える)。 日本ハリストス正教会でも振り香炉という語は用いられるが、祈祷書における指示等においては単に「香炉」と称されている。正教会の公祈祷で用いられる香炉は振り香炉である事が多いが、置き香炉や手持ち香炉も用いられており、祈祷書のこうした記載は振り香炉以外の香炉を用いる場面も想定したものである。
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