指揮姿
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 02:47 UTC 版)
「オトマール・スウィトナー」の記事における「指揮姿」の解説
NHK交響楽団のコンサートマスターを務めた堀正文は、スウィトナーの指揮について「けっしてパワーで指揮なさるタイプではないんですけれども、身体の内からググーっとでてくるエネルギーの迫力はすごかったですね」と述べている。同じくNHK交響楽団のクラリネット奏者である西村初夫は「スウィトナーは一見、田舎のおっさんでしたが、ひとたび棒を振ると人間がまったく変わる。ひと回りもふた回りも大きく見えてきて、“こりゃいかん”と緊張させられるのです」と述べている。 また、音楽評論家の小石忠男はスウィトナーの指揮姿について以下のように述べている。 スウィトナーの指揮ぶりは、決して器用なものとはいえない。カラヤンのように指揮台の上の姿を見ているだけで、何か優美な運動の姿態を連想させるようなものではない。そのような見てくれはおそらくスウィトナー自身にとっても問題になるような要素ではなさそうだし、器用に、スムーズにオーケストラをドライヴするのも、また彼の音楽の目的とはなり得ないように思う。しかし彼の指揮棒には、必要なことはことごとく指示する的確さがあり、すべてが誠実に音楽をつくることを志向している。いわば古い時代の楽長タイプの名残をそこに見ることができるのだが、その拍子をとる手の動きは、なめらかでなくとも明快であり、音楽が白熱してきたときは上半身を大きく動かして腕を前に突き出すなど、一種独特の集中性の強さを感じさせる。
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