投入財貿易
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/19 09:48 UTC 版)
詳細は「加工貿易」を参照 詳細は「中間財貿易」を参照 中間財貿易ともいう。原材料を輸入し、それを加工して再輸出することは、日本が明治時代から行なってきた貿易の基本形態であり、それは日本の以外の多くの国にも当てはまる。A国の生産物をB国に輸出し、それをB国の生産に投入する場合に、その財を投入財あるいは中間財という。同一種類の財が、最終財と投入財と2様の使われ方をする場合がある。マッケンジーは、綿花が輸入されず、もしイギリスで綿栽培が必要だったとしたら、ランカシャーで綿工業が起こることはなかったであろうことを指摘して、中間財貿易の重要性を強調した。ポール・サミュエルソンは、最終財を貿易する利益と区別して、投入財を貿易することにより生まれる利益をスラッファ・ボーナスと呼んだ。経済のグローバル化が進行し、世界中からより良いものをより安く調達・生産する世界最適調達(optimization of global sourcing, optimization of worldwide procurement)では、中間財貿易の重要性はますます増大している。 投入財貿易の理論は、投入財の貿易により、各国の賃金率が複雑に関係するためジョーンズらも成功しなかった。投入財貿易のリカード型一般理論は、塩沢由典により2007年に発表された。塩沢は、投入財の貿易のない「リカード貿易経済」と投入財の貿易のある「リカード・スラッファ貿易経済」とを分けている(『リカード貿易問題の最終解決』第2章第5節)。後者は前者を含むが、後者には前者にはない特性がある。2つの貿易経済の区別は、同書以前ではなされていない。塩沢の理論は、M国・N財の場合を扱えるだけでなく、技術選択を内包しているので、各国の技術の進歩にも対応できる一般的理論である。したがって、それはアウトソーシング、グローバル・ソーシング、中間財貿易、アンバンドリングなどの基礎理論にもなっている。。
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