打者走者の一塁へのヘッドスライディング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/23 15:57 UTC 版)
「スライディング」の記事における「打者走者の一塁へのヘッドスライディング」の解説
打者走者が行う一塁へのヘッドスライディングは、危険性の観点の他に「駆け抜けた場合とどちらが速いか」という点でもしばしば議論の対象となる。 本来、打者走者は一塁上で止まる必要がなく、スライディングは行わずにそのまま一塁を踏んで駆け抜けるのが基本とされており、塁に触れるタイミングの面では、伝統的に「駆け抜けた方が早いに決まってる」という説が有力とされてきた。その根拠として挙げられるのが、「陸上選手はヘッドスライディングをしない」ということ、ヘッドスライディングの体勢に移行する際に発生する「無駄な動き」や地面を滑る際に発生する摩擦などによって一塁の手前で減速する可能性があることなどである。 しかし近年は、ハイスピードカメラなど測定機材の技術進歩によってより詳細な分析・検証が可能となったこともあり「駆け抜けるよりヘッドスライディングをした方が速い」との指摘がされることも多く(桑田真澄は「昔はビデオやテレビを超スローとかで見れなかったので、イメージだけで伝えてこられたんですよね」と述べている)、実際にそのような研究結果が複数示されている。特に、2018年3月に発表された立命館大学スポーツ健康科学部の研究では「技術があれば」という条件が重要であることが強調されており、同学教授の岡本直輝はそれを踏まえ、正しいヘッドスライディング習得のための新たなトレーニング導入の必要性にも言及している。 その他、「一塁審へのセーフのアピールのため」や「チームの士気を高めるため」などの非科学的な効果への期待から一塁へのヘッドスライディングが行われることも多い。また、日本の高校野球では明らかにアウトの場合でも(中にはアウトが既に確定していても)内野ゴロを放った最後の打者が一塁にヘッドスライディングをすることが慣例のようになっており、メジャーリーグベースボールでは一塁へのヘッドスライディングは歓迎されない行為とされている。
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