所有権をめぐるトラブル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 06:45 UTC 版)
「ロックオブジブラルタル」の記事における「所有権をめぐるトラブル」の解説
本馬の引退の際には、本馬の所有権をめぐって馬主のマグナーとファーガソンの間でトラブルが発生し、世界的に報道され話題となった。 もともとマグナーは、友人と共同出資している投資会社を通じて、ファーガソンが監督を務めるマンチェスター・ユナイテッドの株を所有しており、その関係でマグナーとファーガソンは旧知の仲だったことから、2歳時のレイルウェイステークスで重賞初制覇した直後にマグナーがファーガソンに本馬の権利の半分をプレゼントした。ただこの際、とくに権利譲渡にあたって書類を交わさず、半ば口約束のような形で権利譲渡が行われたことから、のちにこれがトラブルの種となった。 前記のようにその後本馬は世界GI連勝新記録を打ち立てるなど大活躍したため種牡馬入りすることになったが、初年度の種付料はアイルランドで1頭あたり65,000ユーロ(当時の為替レートで約890万円)、シャトル供用されたオーストラリアで132,000オーストラリアドル(同じく約1000万円)と設定され、初年度だけで種付料の合計額は約25億円に達した。この状況に対し、ファーガソン側は「権利の半分を所有しているのだから、当然種付料収入の半分を得る権利がある」と主張したが、マグナー側は「ファーガソンに譲渡したのは競走馬としての権利の半分のみで、種牡馬としての権利は譲渡していない」として対立。2003年11月18日には、ファーガソン側は種付料収入の支払いを求めてマグナー側をアイルランドの裁判所に訴える事態となった。 一方で当時マグナー側はマンチェスター・ユナイテッド株の買い増しを進めており、2004年1月時点でマグナーの投資会社が発行済株式の25.49パーセントを保有する筆頭株主となっていた。このためマグナーはファーガソンを同クラブの監督から解任すべく臨時株主総会の開催を要求するなど、一触即発の事態となった。 結局2004年3月7日に和解が成立し、同馬の種牡馬としての所有権はマグナー側が保有することが確認される一方で、ファーガソン側には同馬の種付権が年間4株割り当てられることとなった。またマグナーはこの件でファーガソンと不仲となったことから、のちにマンチェスター・ユナイテッド株を売却、サッカークラブの経営から撤退した。
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