戦時中の代用食
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 05:01 UTC 版)
第二次世界大戦末期から終戦にかけ、食糧事情の悪い時期の日本では主食の米に変わる代用食として、すいとんの名を借りた料理が作られた。戦争による物資に乏しい時代背景から小麦粉が不足していたため、大豆粉やトウモロコシ粉、高粱粉など、あるいは糠(ヌカ)などが混ぜられたものを材料としたことがあり、これらはとても本来のすいとんと呼べるような代物ではなかったという。水で溶いた粉を汁、またはただの湯に直接落とし込んで団子のように固め、昆布、煮干や鰹節が入手できないために出汁は取られず、味噌、醤油、塩が不足していたためにまともな味付けの余裕も無かった。塩味を補うため、海水で煮るなどの調理も行われた。ほとんどの場合、野菜や肉などの具が入ることは無かったうえ、サツマイモの葉や蔓など本来、日本では捨てられる部位を具にしていた。 当時の体験談によれば、燃料不足で炊事に十分な熱量を得られず、団子は中心部まで火が通らない生煮えの状態で食べざるを得なかった。団子を噛むと生煮えの生地が歯にこびり付き、原料粉の品質の悪さも手伝って非常に不味かったそうである。 現在では終戦記念日に戦時中のすいとんを食べ、過去の大戦を偲ぶ行事が日本全国で行われる。
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