成形術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 05:10 UTC 版)
歯内療法に向けた機械的根管形成については、多くの繰り返しによる進歩が生じている。最初のものは「標準化技術」と呼ばれ、1961年にイングルによって開発されたものだが、作業距離の損失、段取り間違いや段階飛ばし、誤った穿孔をしてしまう恐れなどの難点があった。後の改良が数多くあり、一般的に「テクニック(技法)」として形成法が説明されている。 これらの具体例には、ステップバック法、全周ファイリング、ステップダウン法、ダブルフレア法、クラウンダウン法、バランスドフォース法などの技法がある(歯内療法学を参照)。 テレスコピックやシリアル根管形成としても知られるステップバック法は、2段階に分けられる。第一段階では作業長(施術距離)が確定されて、その後サイズ25のK型ファイルが作業長に到達することで根尖部が繊細に形成される。第二段階では、残りの根管が手動または回転式器具を用いて形成される。しかしながら、この施術は不注意で尖部移設をしてしまう恐れなど幾つか難点がある。 使用器具の長さ間違いでも起こりうるが、これは修正用ステップバックで対処可能となっている。 砕片の詰まりは受動的なステップバック法で対処可能である。クラウンダウンは、歯科医がマスターアピカルファイルで根管全体の開通性を調べた後、歯冠部から始まる根管を形成する施術である。 ステップバック法の例 パッシブステップバック法の例 クラウンダウン法の例 ステップバックとクラウンダウンを組み合わせたハイブリッド施術がある。根管の開通性検査の後、歯冠の3分の1をハンドドリルまたはゲーツグリデンドリルで形成し、次に作業長を決定し、最後にステップバック法で根尖部を成形する。ダブルフレアは小さいファイルを用いて根管を探索する施術である。その後、K型ファイルを使用してクラウンダウン法で根管を形成し、ファイルのサイズを大きくしながら1mmの増分で「ステップバック」の形成を行う。「三回法」とも称される早期根管拡大術でも、根尖部はアペックスロケーターを用いた作業長の査定後に形成を行う。 その後、ゲーツグリデンドリルで(歯冠および中央部1/3のみを)徐々に拡大していく。 3回目の施術により、歯科医は「根尖に達し」、そして必要ならサイズ25のK型ファイルの孔を形成する。 最終段階は2つの研磨手法に分かれる。最初は1mmズレの器具を用いて、2段階目では0.5 mmズレを用いて行う[要出典]。 これらの施術は全て、頻繁な洗浄およびマスターアピカルファイルという根尖孔に達する小さなファイルを用いた反復作業も含めたものである。高周波超音波に基づく技法もある。これらは複雑な解剖学的構造である場合や、失敗した以前の歯内療法からの残留異物の回収をする場合に特に有用である。
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