成形炸薬弾との比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/05 10:25 UTC 版)
比較表項目成形炸薬弾自己鍛造弾金属ライナー円錐形(角度80度以下) 浅い皿型(角度130度以上) 縦の長さ直径の4倍以上 直径より短い エネルギー効率20%程度 50%以上 貫通力直径の5 - 8倍 直径と同程度 有効距離直径の5 - 8倍程度 直径の500倍 外形 従来の成形炸薬弾は円錐形の金属ライナーを持ち、長さが直径の四倍以上の細長い筒型。ライナーの円錐角度は80度以下。 自己鍛造弾は皿のような浅い角度の金属ライナーを持ち、長さは直径より短い。ライナーの角度は130度以上。 エネルギー効率 成形炸薬弾は爆薬のエネルギーの20%程度が装甲貫通に使用される。 自己鍛造弾では50%以上が装甲貫通に使用される。ミスナイ・シャルディン効果によって後方や横に向かうエネルギーが前方に振り向けられるため。 構造 成形炸薬弾は爆薬周囲の弾体は構造材以上の強度は持っていない。また、モンロー/ノイマン効果によって円錐の内側に爆轟波が集中される。 自己鍛造弾は衝撃波を反射させるために鋼鉄などの比較的比重の大きい厚い金属が使用される。また、弾体底部は爆薬レンズになっていて平面爆轟波が前方に進む。ライナーの中央が凹んでおり、中心部から先に爆轟波が到達して前方に飛び出していくため、中心が先端になり外側ほど後ろに来る形で形成される。 貫通力 成形炸薬弾の貫通力は直径の5倍 - 8倍。 自己鍛造弾の貫通力は直径と同程度のため、直径が小さい兵器に不向き。 有効距離 成形炸薬弾は直径の5 - 8倍程度。 自己鍛造弾は直径の500倍。このため、スペースドアーマーなどで装甲の間に隙間が空いていても貫通する。 重量体積あたりの威力では自己鍛造弾の方が優れているが、20 cmの貫通力を持たせるためには直径が20 cm以上必要である。現代の戦車砲弾やミサイルの弾頭としては直径が過大となるため、装甲の薄い上面を狙ったり、元々の直径が大きい兵器に搭載される。
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