情報と記号学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 02:15 UTC 版)
Beynon-Daviesは、記号および信号-記号系における情報の多面的概念を提唱した。記号自体は記号学における4つの相互依存したレベル、層、分野、すなわち語用論・意味論・統語論・Empiricsにおいて考慮される。これらの4つの層は、社会と物理世界や技術世界を接続する役目を担っている。 語用論は、通信やコミュニケーションの目的を扱う。語用論は、記号の発行と記号が使われる文脈とを接続するものである。語用論が注目するのは、コミュニケーションを行おうとする者の意図である。言い換えれば、語用論は言語と行為を結びつける。 意味論は、コミュニケーション行為によって伝達されるメッセージの意味を扱う。意味論はコミュニケーションの内容を考察する。意味論は記号の意味を研究するもので、記号と行為の関係を研究するものである。意味論は記号とそれが指す概念や指示物の関係、特に記号と人間の行為の関係を研究するものである。 統語論はメッセージを表現する際に使われる形式を扱う。統語論はコミュニケーションにおける記号体系の論理や文法を研究する分野である。統語論は記号や記号体系の内容よりも形式を研究する分野である。 Empiricsはメッセージを伝達する信号、通信媒体の物理特性についての研究である。Empiricsは通信路とその属性(例えば、音、光、電子など)を研究する分野である。 Nielsen (2008)では、辞書における記号学と情報の関係を論じている。そこで提唱された lexicographic information cost という概念は、辞書を使う際に目的の項目を見つけるのにかかるコストと、その項目に書かれている内容を理解して情報を生成するのにかかるコストを指すものである。 Shu-Kun Lin は新たに情報を「データ圧縮後のデータ全体」と定義した。
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