急性リンパ性白血病の治療
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 02:02 UTC 版)
急性リンパ性白血病では白血病細胞はプレドニゾロンによく反応し数を減らし、またAMLに比べて使用できる薬剤は多いが、治療の基本的な考え方は急性骨髄性白血病と同じである。 急性リンパ性白血病の寛解導入(初回の治療)ではビンクリスチン(VCR、商品名オンコビン)とプレドニゾロン(プレドニン)およびアントラサイクリン系抗がん剤の組み合わせを基本とし、それにシクロホスファミド(エンドキサン)やL-アスパラキナーゼ(ロイナーゼ)などを加えることもある。どのプロトコール(薬剤の組み合わせや各薬剤の投薬量・投薬スケジュール)がいいかは一概には言えず、標準治療は存在しない(上に挙げた薬剤でプレドニゾロンは抗がん剤ではなくステロイドである)。 寛解導入後に行われる地固め療法もさまざまなプロトコールがあるが、寛解導入とは組み合わせを変えるのが基本となる。なるべく多種類の薬剤を使用したり、シタラビン(キロサイド)大量療法などがある。ALLでは白血病細胞が中枢神経を侵しやすく、予防しないと中枢神経白血病になることがあり、放射線の頭蓋照射や抗がん剤メトトレキサートの髄注あるいはシタラビンなどの大量投与などを組み合わせて予防する。 小児ALLでは、化学療法だけで長期生存する確率が高いため、第一寛解期で移植を検討することは少ない。しかし、成人のALLでは再発率が高いため、AMLに比べると第一寛解期での移植を検討することは多い。 移植を行わない場合、ALLでは寛解導入療法と地固め療法を数コース行って完全寛解し、いったん退院したあとにも、定期的に化学療法(おもに経口抗がん剤やプレドニゾロン)を行う維持療法を長く(2年程度)行う。 成人のPh+ALL(フィラデルフィア染色体(Bcr-Abl融合遺伝子)のあるALL)はALLの3、4割を占めるが、かつてPh+ALLは白血病の中でももっとも難治な型のひとつであった。しかし、2001年に登場したイマチニブ(グリベック)と化学療法の併用で治療成績は向上し、移植治療と併せると50%の患者は長期生存が期待できるようになってきている。
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急性リンパ性白血病の治療
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 14:42 UTC 版)
「急性白血病」の記事における「急性リンパ性白血病の治療」の解説
小児のALLは比較的予後良好である。標準療法は確立していない。再発時に髄膜白血病となることが多く、予防的にメトトレキセートを髄内投与することもある。その場合、血液型が異なっても適合することがあるため、生まれ持った血液型が変わることもある。
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