心臓の解剖学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/18 02:42 UTC 版)
絵画中のザクロは、心臓の解剖学的構造の正確な表現として認識されている。 15世紀後半、ボッティチェッリは人体解剖学への関心の再興と古代に失われた医学的知識の再生を知ることとなった。ルネサンスの芸術家は、死体の解剖を通してこの失われた知識を取り戻すことができた。ルネサンス時代、芸術家は解剖学者になることは非常に価値があると感じて、人体をよりよく理解するようになり、芸術作品をより生き生きとしたものに改善することがでた。作品の題名、『ザクロの聖母』は、聖母マリアの手に握られている果物に由来している。ザクロはキリストの苦難と復活の象徴としての役割を果たしており、キリスト教では生から死への移行と復活を象徴している。ザクロは、残された種から最終的にふたたび生まれるからである。開いたザクロに見える赤い種は、人類を救ったイエスの流血を鑑賞者に想起させるためのものである。ザクロの皮を剥いた部分は、心臓の心室と同じく非対称の心室を表している。ボッティチェッリは内側の海綿状の膜を表示し、仮種皮(シードポッド)を5つの空間に放出している。これらの空間は、心房、心室、および主な肺動脈幹を表している。最上部は2つの部分に分かれており、上大静脈と3本の枝がある大動脈弓を模倣したものとなっている。ザクロはまた、イエスの心臓の位置を覆う胸の左側の前に位置している。実際の心臓の解剖学的構造と、イエスの胸の上のザクロの描写との、これらの驚くべき類似性は、聖母マリアとイエスが持っているザクロに隠された心臓の仮説がおそらく的を得ていることを示している。
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