従来マシンからの改良
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「System/370」の記事における「従来マシンからの改良」の解説
System/370 はその約20年の歴史の中で数回のアーキテクチャ改良を重ねてきた。最初の最も大きな変更は仮想記憶の導入であり、1972年、IBM の "System/370 Advanced Function" の発表により一般に公開された。IBM は当初、System/370 では何故か仮想記憶を採用しなかった。1972年の発表には以下の事項が含まれていた。 全 System/370 機種へのアドレス再配置ハードウェアの導入 新たな System/370-158 と -168 の発表 新たな4つのオペレーティングシステムの発表: DOS/VS(仮想記憶をサポートした DOS)、OS/VS1(仮想記憶をサポートした OS/MFT)、OS/VS2(仮想記憶をサポートした OS/MVT。後に SVS と MVS へと進化)、VM/370(CP/CMS の再実装) 仮想記憶は実際にはこの発表以前に System/370 ハードウェアに導入されていた。 1971年、System/370-145 で実装された(同機は仮想記憶開発を行った Cambridge Scientific Center に極秘裏に搬入された。この時期既にアドレス再配置ハードウェアが完成していたと思われる) 1972年、System/370-155-II と System/370-165-II は即座に System/370-158 と -168 に置換された その後のアーキテクチャ上の変更は主記憶容量の拡張(物理メモリと仮想アドレス空間)が中心となった。これは、負荷の増大と顧客の要望にこたえるためであった。これはムーアの法則に従ってメモリ単価が低下したことによる必然的傾向であった。IBMのメインフレーム開発では、基本的に従来互換は常に保たれていた。 1981年10月、3033 と 3081 プロセッサに "extended real addressing" が追加され、物理記憶装置のアドレスが26ビットに拡張された(個々のアドレス空間は依然として24ビットであった)。この拡張は 4381 や 3090 といった他のシステムにも適用されていった。 System/370-XA (eXtended Architecture)アーキテクチャ: 3081 と 3083 プロセッサで1983年初めに利用可能となった。アドレス空間の 24ビットから 31ビットへの拡張、2つのアドレス空間の間でデータを移動させる機能、入出力アーキテクチャの完全な再設計(動的チャネルサブシステム)などの大きな改良がなされた。 ESA/370 アーキテクチャ(Enterprise System Architecture、後に ESA/390 と改称)では、32ビットのアクセスレジスタ16本を追加し、アドレッシングモードを追加し、複数アドレス空間を同時に扱う機能がいくつか追加された。
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