後世の作品における『イーリアス』の影響
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古代ローマ期は、詩人ウェルギリウスがローマ建国を描いた叙事詩『アエネーイス』は『イーリアス』を下敷としている。作中では、敗れたトロイアの武将アイネイアースが放浪の果てにたどり着いたイタリアでの出来事が語られ、その子孫がアウグストゥスの家系であることを示唆する描写がある。 1987年、マリオン・ジマー・ブラッドリー は『イーリアス』を元にした歴史ファンタジー小説『The Firebrand』を発表した。日本ではファイアーブランド三部作『太陽神の乙女』、『アプロディーテーの贈物』、『ポセイドーンの審判』として1991年に翻訳出版された。この小説はトロイアの王女カッサンドラーを主人公にしたフェミニズムファンタジーである。 2004年に封切りされた映画『トロイ』は、『イーリアス』のかなり自由な翻案である。配給元の大規模な宣伝や人気俳優の起用もあり、映画は興行的には成功を収めたが、アメリカ合衆国の映画批評家からは酷評された。何人かの批評家は「2004年最悪の映画」にこの映画を挙げた。ホメーロスの描く物語とこの映画のストーリーにはごくわずかな共通点しかない。 ダン・シモンズは、2003年に『イーリアス』を翻案した叙事詩的 SF 小説『イリアム』 (Ilium) を発表した。この小説は、2003年の最優秀 SF 小説としてローカス賞を受賞した。
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