後世における言語過程説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/28 06:13 UTC 版)
言語過程説は様々な批判、論争を引き起こした。それは「言語構成観」がソシュールに対する誤解に基づくものであることからもたらされたものなど、様々なものがある。原田信一は一定の評価はしながらも、絵画などのほかの表現との区別ができないという批判を行っている。 言語過程説はまた、三浦つとむを経由して吉本隆明に影響を与えた。 時枝の説を継承・発展した国語学者としては、高知女子大学教授であった山崎良幸がいる。山崎は、時枝が京城帝国大学で教えていた時の弟子である。文法書としては、『日本語の文法機能に関する体系的研究』(風間書房)、『現代語の文法』(武蔵野書院)、『古典語の文法』(武蔵野書院)がある。時枝から継承・発展した文法学説を踏まえた万葉学として、『万葉歌人の研究』(風間書房)、『万葉集の表現の研究』(風間書房)がある。そして、山崎の研究の中心であった源氏物語においては、『源氏物語の語義の研究』(風間書房)、『「あはれ」と「もののあはれ」の研究』(風間書房)などがある。また、この山崎が高知女子大学で教鞭をとっていた時の教え子に和田明美がいる。現在、和田は、愛知大学教授として、『古代日本語の助動詞の研究』(風間書房)、『古代的象徴表現の研究』(風間書房)を著し、時枝・山崎の説を継承・発展している。 時枝文法については『日本文法 口語篇』、『古典解釈のための日本文法』、『日本文法 文語篇』で知ることができる。
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