弁護士事務所における地位・役職と通称
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/28 08:32 UTC 版)
「法律事務所」の記事における「弁護士事務所における地位・役職と通称」の解説
代表弁護士(ボス弁) ある弁護士を雇う(ただし契約類型は雇用とは限らない。以下同じ。)弁護士。「ボス弁護士」の略。パートナーはこの一種であると言える。 委託弁護士(イソ弁) ボス弁に雇われる弁護士。「居候弁護士」の略。アソシエイトはこの一種であると言える。 ノキ弁 法律事務所に間借りをし、指導を受けることはあるものの、あくまで別の個人企業として職務を行う弁護士(「ノキ」は軒のこと)。したがって、法律事務所における地位・役職というわけではない。この場合の「事務所」は電話と机がそれぞれ一つだけ。 パートナー 「組合員」の意。出資者としての地位を有する弁護士、または雇用される弁護士ではあるがそれと同格とされる地位にあるもの。共同経営による弁護士事務所は通常は組合であることによるものであり、(弁護士法人の社員など)実際には組合でなくてもパートナーと呼ぶことが多い。出資者であれば弁護士事務所の経営について決定権を有するが、大規模な法律事務所においては、特に重要なものを除き経営に関する判断が一部の複数の弁護士に委任され、さらにその中から一部の弁護士に執行が委任されるなどする。シニア・パートナー パートナーの中で最も上席の1ないし数名の者。代表パートナーともいう。 マネージング・パートナー パートナーの中で業務執行のトップを務める者。執行パートナーともいう。 エクイティ・パートナー パートナーの中でエクイティ(持分)を有する立場にある者。エクイティを有しない者にもパートナーという名称の職位を付すことがあり、そのようなパートナーと区別して用いる。 メンバー 「社員」の意。組合ではなくLLC形態などの法律事務所において、その社員たる弁護士。パートナーに相当する。メンバーとそれと同格の者を含めてパートナーと呼ぶこともある。 アソシエイト 弁護士事務所に雇用される若手の弁護士に付される職位。パートナー(またはメンバー)とは違って出資者ではない。 客員、顧問、カウンセル、オブ・カウンセルなど 出資者ではなく雇用される弁護士ではあるが、アソシエイトとは区別されてそれなりに尊重される立場を与えられた者。対外的に直接に業務を行わないこともある。学者、法曹資格のない者(元行政官など)、引退したパートナーあるいはパートナーに次ぐ地位の弁護士など、さまざまな者に与えられる地位で、その名称もさまざまである。 その他の専門職 日本の法律事務所の場合は、弁理士、公認会計士、税理士、司法書士・認定司法書士、行政書士など。 スタッフ、事務員 弁護士やこれに準じる者以外の一般の従業員。大規模な法律事務所においてはパラリーガルとそれ以外(主に秘書)に分化しているのが通常である。総称して「事務局」と呼ぶこともある。大規模事務所においては、総務部門・経理部門等の専門スタッフが置かれることもある。パラリーガル 弁護士の指揮・監督の下でその法律事務を補佐するが、法曹資格は有しない。 秘書 対外的・内部的な一般的な事務を処理する。 研修生 研修目的で一時滞在する者。 その身分は、一時的に弁護士となった司法官(裁判官や検察官)、外国の弁護士、法曹になるための訓練中の者(司法修習生、法学部生、ロー・スクール生(サマー・クラークやエクスターンなど)など)、法曹資格のない公務員など様々である。スタジエールと呼ばれることも。
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