建築分野におけるラーメン構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/28 15:51 UTC 版)
「ラーメン (骨組)」の記事における「建築分野におけるラーメン構造」の解説
ラーメン構造は、近代建築における最も一般的な構造形式である。構造材別に見ると、鉄骨造(S造)、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の建築物の多くに採用されている。ラーメン構造が現在のように一般的な形式となったのは、建築史的視点から見ると、20世紀に入ってからのことであり、上記に挙げた建築材料、すなわち鉄とコンクリートの普及とラーメン構造の普及は切っても切れない関係にある。 歴史的な蓄積も多く、信頼性が非常に高い。事務所ビルや中層集合住宅などには柱間を6 - 8mにしたものがもっともコスト効率のよいものとされ、経済スパンとも呼ばれている。 特徴 基本的にはブレースや耐震壁が不要であるため、間仕切りのない、広々とした空間を作ることができる。 荷重に対しては、主に柱と梁の曲げによって抵抗するため、柱と梁は非常に太いものとなる。一般的な柱の寸法は、鉄骨造で300mm角 - 900mm角程度、鉄筋コンクリート造で600mm角 - 1200mm角程度となる。 荷重による部材の変形は、曲げ変形が支配的であり、せん断変形・軸方向変形はほとんど発生しない。 地震荷重・風荷重に対しての変形量は、壁式構造などに比べて大きくなる。しかし、大変形時においても粘り強く抵抗する特性がある。ただし、大変形に追従できない建具類や仕上げ材が損傷を受けることが多い。 木造の場合 木造においては、部材同士を剛強に接合することが困難である(接合部に金物を用いたとしても、金物が木材にめり込みやすく、完全な剛接合を作ることは難しい)。しかし、近年ドリフトピン工法の普及に伴い、木質建築物においてもラーメン構造が可能となった。ラグスクリューボルトによる門型ラーメン構法がその代表例である。
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