幼虫の摂食行動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 03:53 UTC 版)
幼虫も成虫と同じく肉食性だが、成虫と異なり非常に凶暴な捕食者で、脱皮の前後1日以外は大変旺盛な食欲を発揮し、動くものならなんでも頭部の鋭い大顎で襲って捕食するばかりか同種間でも激しく共食いをする。 幼虫は自然下の浅い水域では植物の茎などに逆さまに掴まり、目の前を通る獲物を待ち伏せして捕食する。幼虫の大顎はタガメ幼虫の前脚よりかなり小さいため自分より大きな獲物を捕らえることは難しいが、一度獲物を捕まえれば逃すことはなく、強力な消化液で確実に仕留められるようになっている。大顎は注射針状になっており、生きた獲物に鋭い大顎で食いつくと獲物を麻痺させる毒・消化液を大顎内の管から同時に体内に注入して、獲物の体液・消化されて液状化した筋肉・内臓などの組織を注入に使われた大顎内の管から吸収して口の入り口の毛で固形物を濾過して除き、液体化した組織を消化管に飲み込む。これを体外消化と呼ぶが、顎で獲物の肉を齧り取って食べる成虫とは異なりタガメなど水生カメムシ類に近い摂餌方法で、幼虫に食べられた獲物の死骸は骨・皮しか残らない。幼虫に噛まれると非常に強い痛みを感じるため、安易に素手を近づけることは控え、噛まれないよう細心の注意が必要である。 都築・谷脇・猪田 (2003) は「自然下の繁殖地で成虫を捕獲するためにマグロの刺身を仕掛けて設置したところ、しばらくしてゲンゴロウの幼虫が寄ってきて摂食した」という観察記録から「幼虫は動きだけでなく成虫と同様に餌の匂いにも反応するようだ」と推測している。
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