川崎コンテナターミナル判決
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 04:48 UTC 版)
「損失補償 (財政援助)」の記事における「川崎コンテナターミナル判決」の解説
川崎市の第三セクター「かわさき港コンテナターミナル株式会社」(KCT)に対する損失補償契約に関する、横浜地裁の平成18年11月15日の判決は初めて「損失補償契約を違法」とした。 それによると、「政府又は地方公共団体の不確定な債務がむやみに増加することを防止し、もって財政の健全化を図るという財政援助制限法第3条の趣旨からすると、これに類し同様の機能、実質を有する合意も同条の規制に服するものと解するのが相当」とした上、本件損失補償協定は「民法上の保証契約とはいえないまでも、それと同様の機能、実質を有するものであって、財政援助制限法第3条による規制を潜脱するものというほかないから、同条に違反した無効なものである」とした。 一方、「当時、自治省行政課長の回答を前提として、損失補償契約は財政援助制限法第3条に反しない旨の理解が広く受け入れられており、地方公共団体において前記協定のような損失補償契約は広く利用されていたし、裁判例としてもこれを適法とするものがあった」とし、市長への損害賠償請求及び金融機関への不当利得請求は棄却した。 この判断は地方公共団体、金融機関には驚きをもって受け止められたが、市側も損害賠償請求が退けられたこともあり控訴しなかったことから、地裁判決で確定した。 なお、この判決の後、上記のとおり、いずれも損失補償を適法とする荒尾市の事案に対する高裁、最高裁の判決が下されており、司法判断は分かれている状態にある。
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