小林の再抗議
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/22 05:23 UTC 版)
一方、小林信彦は『本の雑誌』12月号に「事実と小説のあいだ」と題する文を発表。個々の事実、時代背景を吟味しながら、以下の点を指摘した。 「ヤング・ミュージック」という誌名は時代色がよく出ていて使った名前であり、このままでかまわない。 だれが具体的に迷惑するのか? 事実として、チケット申込の倍率は関係筋に消えたのを考慮すると12倍以上になる。以前の松村の誤りと同様、松村はこういう基本的な事情について無知なのではないか?登場人物は業界の裏にも通じているという設定なので、正確な数字はともかく、このあたりの感覚がおおよそあると考えるのは自然である。そのような設定の登場人物が、大体7倍あたりと考えるのは、その当時業界の中にいた自分からみても、妥当である。 事実として、ぼくが仕事をしていた日本テレビでは、「チケット」「入場券」いずれもありだった。 松村も認めるように、ドノヴァンは帽子の名前として使われている。こういう言葉は風俗の一部として触れてあり、もともと人名から由来したものかどうかが、なんで関係しているのか?小説の中で大事な役割を持っている訳ではないし、こういう蘊蓄を説明する意味は全くない。帽子は帽子であり、風俗の一部として正確である。松村のいうような「ドノヴァンはもとは音楽家の名前で」などという詳細を小説でいちいち説明しろというのなら、たとえば小説の登場人物がすべての用語について説明的会話をするしかない。さらに、そのようなやりかたはぼくの小説作法に反する。 加山雄三についての基礎的な事実として、以下の事を知ってから言及すべき:東宝はあの手この手で加山雄三をスターにしようとして失敗し、若大将シリーズの『エレキの若大将』(1965年)の挿入歌『君といつまでも』のヒットでようやく実質的なスターになれた。
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