射影正規性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/05/23 13:44 UTC 版)
その射影埋め込みにおける多様体 V は R が整閉であるときに射影的に正規 (projectively normal) である。この条件は V が正規多様体(英語版) (normal variety) であることを意味するが、逆は正しくない。射影正規性の性質は、3次元における有理四次曲線の例によって示されるように、射影埋め込みに依存する。別の同値な条件は自明直線束(英語版) (tautological line bundle) L によって射影空間上切りだされる V の因子の線型系(英語版)と d = 1, 2, 3, ... に対してその d 乗の言葉による。V が非特異なとき、それが射影的に正規であることと各そのような線型系が完備線型系(英語版) (complete linear system) であることは同値である。より幾何学的な方法で射影空間上セールの捩り層(英語版) (Serre twist sheaf) O(1) として L を考え、任意の k に対して構造層 OV を k 回捩るのに使うことができる。すると V は与えられた k に対して O(k) の大域断面が OV(k) の大域断面に全射で写すときに k-正規 (k-normal) と呼ばれる。V が 1-正規なら線型正規 (linearly normal) と呼ばれ、射影正規性は V がすべての k ≥ 1 に対して k-正規であるという条件である。線型正規性(英語版)を幾何学的に言うことができる。射影多様体としての V は真の線型部分空間に自明な方法である場合を除いてより高次元の射影空間から同型線型射影によって得ることができない。射影正規性はそれを線型正規性の条件に帰着するために十分な Veronese 写像(英語版) を使うことによって同様に翻訳することができる。 V の射影埋め込みを生じる与えられた非常に豊富な直線束の視点から問題を見ると、そのような直線束(可逆層)は埋め込まれた V が射影正規ならば正規的に生成される (normally generated) と言う。射影正規性は Green と Lazarsfeld によって定義された条件の列の最初の条件 N0 である。これのためには ⨁ d = 0 ∞ H 0 ( V , L d ) {\displaystyle \bigoplus _{d=0}^{\infty }H^{0}(V,L^{d})} は射影空間の斉次座標環上の次数加群と考えられ、極小自由分解が取られる。最初の p 次数ベッチ数に適用された条件 Np はそれらが j > i + 1 のときに消えることを要求する。曲線に対して Green は deg(L) ≥ 2g + 1 + p のとき条件 Np が満たされることを示した。p = 0 に対してこれは Guido Castelnuovo の古典的結果である。
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