専門家委員会とは? わかりやすく解説

専門家会議 (イラン)

(専門家委員会 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/24 13:38 UTC 版)

専門家会議
مجلس خبرگان رهبری
種類
種類
役職
議長
モハンマドアリー・モヴァッヘディー・ケルマーニーペルシア語版英語版
2024年5月21日より現職
第一副議長
ハーシェム・ホセイニー・ブーシェフリーペルシア語版英語版
2024年5月21日より現職
第二副議長
アリーレザー・アアラーフィーペルシア語版英語版
構成
定数88
院内勢力
Combatant Clergy Association
Society of Seminary Teachers of Qom
People's Experts
選挙
前回選挙
2024年3月1日
議事堂
テヘラン
ウェブサイト
http://www.majlesekhobregan.ir/

専門家会議[1](せんもんかかいぎ、ペルシア語: مجلس خبرگان‎Majles-e Khebregān)あるいは指導者選出専門家会議(しどうしゃせんしゅつせんもんかかいぎ)は、イラン最高指導者を選出するムジュタヒド88名から構成される合議体であり、また同時に最高指導者の活動を監察する。議員の任期は8年で、普通直接選挙によって選出される。

一部では、このような宗教界によって構成される組織の必要性に疑問を呈する向きもある[2]

権能

イラン・イスラーム共和国憲法によれば、専門家会議は最高指導者の監督、罷免、選出を担当する。最高指導者はイスラーム的学識、公正、敬虔、政治的社会的見識、分別、勇気、行政能力、十分な指導力などの資格を満たす者を選出しなければならない[3]。また最高指導者が憲法に定められた義務の遂行ができないとき、あるいは憲法に明記される資格の欠如が明らかになった場合は罷免される。これら最高指導者に関わる決定権限をもつのが専門家会議である。最高指導者の死去、辞任、罷免にあたっては専門家会議は可能な限り短時間で新最高指導者を任じなければならない[3]。専門家会議は6ヵ月ごとに招集され、前最高指導者の退任・死去にあたっての新指導者を選出する。専門家会議では指導者としての資格を満たす会議内の全てのイスラーム法学者について評価・検討を行う。その結果、イスラーム法規定、イスラーム法をめぐる諸事項、政治的社会的問題、一般的な人気、あるいは指導者としてのその他の点などで傑出した者が議員にあれば、この者を最高指導者として選出し、複数の候補があれば議員中から一人を選出して指導者と宣言する[3]

憲法には専門家会議議員たるの要件は特に定められておらず、その議員候補者要件については専門家会議自身の決定に預けられている。専門家会議は同会議議員すべてがフィクフ(イスラーム法学)の専門家でなければならないとする法を可決した。これは最高指導者の活動がイスラーム法および憲法に従い違反するところがないことを審査・確認するために必要な要件として定められた[4]。同法は改革派の批判を招き、2006年の専門家会議選挙では非イスラーム法学者も議員たりうるべきか否か、さらには立候補資格審査権限を監督者評議会に与えるべく改正するか否かが争点となった[5][6]。現状、全ての専門家会議議員候補者は、イジュティハード資格について、書面および口頭での審査を通じて監督者評議会に承認されなければならない。

現在の専門家会議議員の平均年齢は60歳以上で任期中の退任・死亡などによる補欠選挙も多い。また専門家会議およびその議事録は非公開である。

歴史

専門家会議はイラン・イスラーム共和国憲法に基づいて1983年に設置された。第1期専門家会議はアーヤトッラー・アリー・ホセイン・モンタゼリーを最高指導者ルーホッラー・ホメイニーの後継者として選出し、1989年、ホメイニーがモンタゼリーを批判すると、専門家会議は後継者としての選出を撤回した[7]1989年6月3日、ホメイニーが死去すると専門家会議はアリー・ハーメネイーを第2代の最高指導者として選出した。これは円滑な権力継承を示すためでもあった[8]

専門家会議議員は8年ごとに選出される。したがって1983年1991年1999年に始まる3期があり、次期専門家会議は2007年からの第4期となる。第4期は「選挙集中」計画により例外的に10年間の任期となる予定で、これは専門家会議と議会選挙を同時におこなうことで選挙費用の圧縮をめざすためである。

第5期専門家会議

第5期専門家会議選挙は、第10期国会議員選挙と同日の2016年2月26日に投票が行われた。88議席に対して候補者は159人であった[9]

テヘラン選挙区(定数16)では、専門家会議議長のモハンマド・ヤズディー英語版ペルシア語版と保守派(原理派)のモハンマド・タギー・メスバーフ=ヤズディーが落選[10]、これに対して、穏健派のアリー・アクバル・ハーシェミー・ラフサンジャーニーは同選挙区トップ、現職大統領のハサン・ロウハーニーは同3位で当選を果たしている。

第5期専門家会議議長には、保守派のアフマド・ジャンナティーが選出された。

第4期専門家会議

2007年からの第4期専門家会議の選挙は2006年12月15日に施行された。本選挙で注目されるのは穏健派の元大統領アリー・アクバル・ハーシェミー・ラフサンジャーニーが、現大統領マフムード・アフマディーネジャードと関係の深い強硬派候補を破って86人中トップ当選を果たしたことである。ラフサンジャーニーは2005年の大統領選決選投票でアフマディーネジャードに敗れたが、この専門家会議では強硬派のアーヤトッラー・モハンマド・タギー・メスバーフ・ヤズディーの2倍近い票を得た。最終的にはラフサンジャーニーに近い立場の者が65人以上選出されている。投票率は60%で以前の選挙と比べ著しく高くなっている。


同選挙の得票は一部が明らかになっている[1]。テヘラン選挙区での上位16名は以下の通りとされる。

  1. - アリー・アクバル・ハーシェミー・ラフサンジャーニー 1,310,010
  2. - アリー・メシュキーニー 839,834,
  3. - モハンマド・ヤズディー 823,602,
  4. - モハンマド・エマーミー=カーシャーニー 823,308,
  5. - アフマド・ジャンナティー 787,908,
  6. - モハンマド・タギー・メスバーフ=ヤズディー 726,498,
  7. - ハサン・ロウハーニー 669,990,
  8. - モフセン・ゴミー 625,428,
  9. - セイイェド・モフセン・アーガー・ミール・モハンマド・アリー(ハッラーズィー) 618,752,
  10. - モフセン・カーゼルーン(カーゼルーニー) 612,973,
  11. - ゴルバーンアリー・ドッリー=ナジャファーバーディー 595,893,
  12. - モハンマド・バーゲル・バーゲリー(バーゲリー・カーニー) 536,928,
  13. - レザー・オスターディー=モガッダム 520,674,
  14. - モハンマド・モハンマド・ダヴィー=サラーエイー(モハンマド・ギーラーニー) 520,626,
  15. - セイイェド・モハンマド・ハサン・マルアシー(シューシュタリー) 501,222
  16. - アブドンナビー・ナマーズィー 492,146

第3期専門家会議

第3期専門家会議はアーヤトッラー・アリー・メシュキーニー(アリー・アクバル・ハーシェミー・ラフサンジャーニーが代理)およびアーヤトッラー・エブラーヒーム・アミーニーが議長を務めた。書記はゴルバーンアリー・ドッリー=ナジャファーバーディーとアフマド・ハータミーであった。各州からの議員は以下の通りである[11][12]

脚注

関連項目

外部リンク


専門家委員会

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サイファーパンク」の記事における「専門家委員会」の解説

サイファーパンクはまた他の専門家と共に暗号技術に関する報告書作成に関わった。 そのような文書1つMinimal Key Lengths for Symmetric Ciphers to Provide Adequate Commercial Securityである。この報告書では75ビット既存暗号が安全であり実運用に足りる「最小の」ビット数であると提案した当時56ビットデータ暗号化標準アメリカ政府標準であり、いくつかの分野では利用強制された。 その他の文書では政府計画に対して批判的に分析している。The Risks of Key Recovery, Key Escrow, and Trusted Third-Party Encryption,では暗号鍵提出した暗号化提案について評価している。Comments on the Carnivore System Technical ReviewではFBIによる電子メール監視について精査している。 サイファーパンク1996年暗号政策に関する全米研究評議会報告書Cryptography's Role In Securing the Information Society (CRISIS)に対してかなりの意見提供している。この報告書1993年アメリカ連邦議会からの委託を受け、有能な人材からなる委員会によって国中全ての利害関係にある当事者対す広範囲に渡る聴取経て作成された。この報告書では暗号に関するアメリカ政府規制について漸進的に緩和するよう勧告している。他のこのような研究報告書と同様、この報告書結論部は政策決定者によってほとんど無視された。後のサイファーパンク裁判対す最終判決などの事件により、暗号化ソフトウェア対する、憲法に違反した規制はより完全に緩和された。

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