寝台特急日本海北陸トンネル列車火災事故
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「日本の鉄道事故 (1950年から1999年)」の記事における「寝台特急日本海北陸トンネル列車火災事故」の解説
1969年(昭和44年)12月6日 6時20分ごろ 北陸本線敦賀 - 今庄間の北陸トンネル内を走行中の青森発大阪行き寝台特急「日本海」の前側、機関車次位の電源車から火災が発生した。 当時の国鉄の規則では「火災が起きた場合は速やかに列車を停止させなければならない」と定められていたが、当該列車の機関士は「トンネル内での停車は危険」と判断し、あえて規定に従わずに走行を続け、トンネルを脱出後に非常停車して、消防車の協力を得て消火作業を行い、火元車両焼損のみで鎮火した。この運転士の判断は乗客の安全を守るために機転を利かせたものとして好意的に報道された。 これに対し国鉄は、出火を認識しながら直ちに停止しなかった機関士の行為は運転規則に違反するものとして断罪し、運転業務から外した。また、この事故から教訓を得ず、出火時には直ちに停車させる規定を維持した。 この火災から3年後、「きたぐに」による北陸トンネル火災事故では乗務員が規則通りにトンネル内で停車させて消火にあたったが鎮火することができずに多くの死傷者を出した。事故後に実車を用いた火災実験等を経て「トンネル内で火災が発生した場合には走行を続けてトンネル脱出後に停止する」と規定を改めるとともに、「日本海」の機関士に下された処分も撤回した。
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