実際の物価上昇と消費者の感覚
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 00:15 UTC 版)
「ユーロ」の記事における「実際の物価上昇と消費者の感覚」の解説
ユーロの導入によって多くの消費者は商品やサービスの価格がインフレーション率以上に高くなったと感じている。この物価が上がったという消費者の感覚は、特定の地域で原価が上がったために個々の価格が上げられたことによるものであり、これらの価格上昇が特に印象に残った。一部では事前に、ユーロ導入後の価格の表示で端数の調整を実施するために、価格を緩やかに上昇させていたところもあった。 そのためドイツでは、ティタニック誌が作り出し、その後多くの新聞でも使われるようになった "Teuro" という言葉(「高価な」という意味のドイツ語 teuer と Euroをあわせた造語)が広まり、Teuro は2002年の言葉(Wort des Jahres 2002)に選ばれた。しかし政府の統計ではこの年に大きなインフレーションは起こっていない。たとえばオーストリア統計局によると、オーストリアの1998年12月31日での対1986年比での消費者物価指数(VPI 86)は133.7で、1987年から1998年の12年間の平均インフレーション率は2.45%である。これに対して対1996年比での消費者物価指数(VPI 96)は、1998年12月31日に102.2だったものが、2003年12月31日には112.0となっており、ユーロ導入後の平均インフレーション率は1.84%に下がっている。またドイツの対2000年比での消費者物価指数を見ると、1991年に81.9だったものが1998年には98.0となった一方で、ユーロ導入後の2003年には104.5となっている。つまり、ユーロ移行以前の平均インフレーション率が2.60%だったのに対して、移行後は1.29%と下がっている。
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