定義と最初の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/10 06:12 UTC 版)
X を位相空間とし、x を X の点とする。 x を含むすべての開集合 V に対して x ∈ U ⊂ V {\displaystyle x\in U\subset V} なる連結開集合 U が存在するときに X は x において局所連結 (locally connected at x) であると言う。X のすべての x に対して x において局所連結であるときに空間 X を局所連結 (locally connected) と言う。局所連結性と連結性は互いに関係していないことに注意しよう。空間はこれらの性質の 1 つあるいは両方を持つかもしれないし、どちらも持たないかもしれない。 対照的に、x を含むすべての開集合 V に対して x が N の内部にあるような V の連結部分集合 N が存在するときに X は x において弱局所連結 (weakly locally connected at x あるいは connected im kleinen at x) であるという。同値な定義は: x を含む各開集合 V は x のある開近傍 U を含み U の任意の 2 点は V のある連結部分集合にある。空間 X は X のすべての x に対して x において弱局所連結であるときに弱局所連結 (weakly locally connected) と言われる。 言い換えると、2 つの定義の唯一の違いは次のことである。x における局所連結性に対しては x を含む開連結集合の近傍基が要求され、x における弱局所連結性に対しては x を含む連結集合の近傍基のみ要求される。 明らかに x において局所連結である空間は x において弱局所連結である。逆は成り立たない(反例 broom space (ほうき空間)は下で与えられる)。一方局所連結空間が弱局所連結であることも同様に明らかであり、ここで逆は成り立つことが判明する: すべての点において弱局所連結な空間はすべての点において局所連結である必要がある。証明は下で与えられる。 次のとき X は x において局所弧状連結 (locally path connected at x) であるという。x を含むすべての開集合 V に対して、 x ∈ U ⊂ V {\displaystyle x\in U\subset V} なる弧状連結開集合 U が存在する。空間 X が局所弧状連結であるとは、すべての x ∈ X に対して x において局所弧状連結であるということである。 弧状連結空間は連結であるから、局所弧状連結空間は局所連結である。今回は逆は成り立たない(下の例 6 参照)。 最初の例 1. 任意の正の整数 n に対して、ユークリッド空間 R n {\displaystyle \mathbb {R} ^{n}} は連結かつ局所連結である。 2. 実数直線 R 1 {\displaystyle \mathbb {R} ^{1}} の部分空間 [ 0 , 1 ] ∪ [ 2 , 3 ] {\displaystyle [0,1]\cup [2,3]} は局所連結だが連結でない。 3. 位相幾何学者の正弦曲線は連結だが局所連結でないユークリッド平面の部分空間である。 4. 標準的なユークリッド位相を与えられた有理数の空間 Q {\displaystyle \mathbb {Q} } は連結でも局所連結でもない。 5. くし空間(英語版)は弧状連結だが局所弧状連結でない。 6. 補有限位相を与えられた可算無限集合は局所連結(実は既約)であるが、局所弧状連結でない。 さらなる例は記事で後で与えられる。
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