定義と概念
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 23:37 UTC 版)
V を体 F 上のベクトル空間とする。例えば、V が Rn や Cn のときは、それぞれ、実数や複素数上の列ベクトルの標準的な n-次元空間である。この場合、表現論の考え方は、抽象的な代数構造を実数や複素数の n × n 行列を使って具体化することである。 このことが可能な主要な代数的対象は 3種類あり、群, 結合代数、リー代数である。 n × n の正則行列(可逆行列)全体は、行列の積の下に群をなし、群の表現論は、群の元を正則行列として「表現」することにより(群自体を)調べることができる。 行列の和と積は、すべての n × n の行列の集合を結合代数とし、したがって、対応する結合代数の表現論(representation theory of associative algebras)が存在する。 行列の積 MN を行列の交換子 MN − NM に置き換えると、n × n の行列のリー代数となるので、リー代数の表現論が導かれる。 実数体や複素数体の場合は、任意の体 F と F 上の任意のベクトル空間へ拡張され、行列を線形写像で置き換え、行列の積を写像の合成で置き換える。V の自己同型と群 GL(V,F) へ一般化し、また、V のすべての自己準同型の結合代数 EndF(V) と対応するリー代数 gl(V,F) へ一般化される。
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