官能特性と成分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 14:18 UTC 版)
味や香り、見た目といった食肉の官能特性は、含まれる成分によりもたらされるものである。 味 食肉の呈味成分としては、酸味を呈する乳酸をはじめとする有機酸、うま味を呈するアミノ酸や核酸(イノシン酸)およびペプチド、塩味を呈する無機塩類、甘味を呈する還元糖などがある。実際にはうま味や酸味が重要だと考えられている。脂肪のおいしさも想定されているが、それが味であるのか香りであるのかについては判然としない。 香り 食肉を特徴付ける「肉らしい香り」は複数の成分によってもたらされるもので、いわゆる核となる成分は存在しないと考えられている。肉の種類などによっても成分は異なり、一概に説明できないのが現状である。肉の悪い臭いについては、オスに由来するいわゆる性臭や、糞便に由来するインドール系の臭気、および保存によって生じる酸化臭などが知られており、それぞれ成分の同定が進められている。 食感 食肉の食感は、主に構成するタンパク質のうち、筋線維を構成するものと、筋肉内結合組織を構成するタンパク質によってもたらされているものと考えられている。 外観 食肉を特徴付ける赤い色はミオグロビンによるものである。ミオグロビンはその誘導体の種類により呈する色が変化するが、好まれる鮮やかな赤色は、ミオグロビンが酸素と結合したオキシミオグロビンによるものである。オキシミオグロビンはさらに酸化されるとメトミオグロビンになるが、このメトミオグロビンは、消費者に好まれない褐色を呈する。食肉を放置すると色が悪くなるのはこのためである。 畜種による官能特性の違い 動物種により味や香り、食感が異なると思われているが、実際に異なるのは香りと食感であり、味は動物間による違いが無いことが明らかにされている。
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