宗教的配慮
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 10:07 UTC 版)
学校給食では、ある特定宗教の教徒には戒律で食べられないものが出ることがある(食のタブー、特にイスラム教におけるハラールを参照)。 1999年4月、三重県津市の白塚小学校のイスラム教徒であるバングラデシュ人児童のために提供していた代替食の提供を突然止めた問題があった。イスラム教徒は宗教上の理由で豚肉や豚由来の食品を食べることができない(不浄として禁じている)ため、白塚小学校では献立に豚肉が含まれる場合に鶏肉などを使った別メニューを提供していた。しかし、津市の教育委員会が「文部省(当時)の基準をもとにした市の衛生管理基準に反している」という理由でこの代替食の提供の打ち切りを小学校に指導し、小学校側は代替食の提供を止めた。この事が異文化や宗教の無理解、外国人差別、国際感覚の欠如として問題となった。文部省(現・文部科学省)学校健康教育課は、アレルギーなどの理由である食品が食べられない児童らに代替食を提供するなどの対応を認めた手引きを出しており、津市のいう「特別食」はダメとはしていない。逆に「宗教的理由でも弾力的な配慮があってもいい」としている。『中日新聞』2000年1月29日付によると、上記「特別食」は1999年9月中に再開された。 2011年9月、文京区教育委員会が同区立中学校に通うインドネシア人生徒のために豚肉を除去した代替食を提供することを拒否している。文京区教育委員会によると「アレルギーの場合は生命の危険性があるために代替食を提供するが、宗教的なことに関しては個人的な理由として提供できない」と説明している。 また、一部ではハラールはワガママに過ぎず「郷に入れば郷に従え」に反するという意見もある他、ハラール食は手間がかかるので通常の給食費よりも割高増額で対応する所もある。
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