宗教的迫害を意味するヘーレム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/10 18:53 UTC 版)
「ヘーレム」の記事における「宗教的迫害を意味するヘーレム」の解説
「奉納物」の意味で使用されていたヘーレムに「絶滅」を前提とした宗教的迫害という意味が付与するようになったのは、それからすぐ後の時代であったと見られている。 あなたの意のままにあしらわさせ、あなたが彼らを撃つときは、彼らを必ず滅ぼし尽くさねばならない。彼らと協定を結んではならず、彼らを憐れんではならない。 — 『申命記』7:02 『サムエル記上』の15章には、イスラエル(統一王国)の初代王サウルがアマレク人との戦いにおいて、預言者サムエルを通じてイスラエルの神から命ぜられたヘーレムを完遂しなかったことで罰せられたとする記述がある。 行け。アマレクを討ち、アマレクに属するものは一切、滅ぼし尽くせ。男も女も、子供も乳飲み子も、牛も羊も、らくだもろばも打ち殺せ。容赦してはならない。 — 『サムエル記上』15:3 ここでアマレク人に対して行われたヘーレムに「剣にかけて」という記述があることから、その命令は住民をも含めた町の殲滅となる。しかしイスラエルの兵は、アマレクの王アガグと最上品の家畜を惜しんで殺さなかった。この行為について神に供えるためと弁明するサウルに対して預言者のサムエルは神託を告げる。 サムエルは言った。「主が喜ばれるのは/焼き尽くす献げ物やいけにえであろうか。むしろ、主の御声に聞き従うことではないか。見よ、聞き従うことはいけにえにまさり/耳を傾けることは雄羊の脂肪にまさる。」 — 『サムエル記上』15:22 サウルはおのれの非を認め、王国から追われて故郷へ帰った。その後、彼の4男であるイシュ・ボシェトが将軍アブネルに擁立されて王位に就くが、実権を握っていたアブネルの寝返りと共に王権は瓦解する。こうして2代で終わったサウル王朝に次いでダビデ王朝が興ったとされている。
※この「宗教的迫害を意味するヘーレム」の解説は、「ヘーレム」の解説の一部です。
「宗教的迫害を意味するヘーレム」を含む「ヘーレム」の記事については、「ヘーレム」の概要を参照ください。
- 宗教的迫害を意味するヘーレムのページへのリンク