完成期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/14 20:28 UTC 版)
室町時代後期から安土桃山時代にかけては、面の創作が続けられるとともに、様式が完成してきて、種類もほぼ出揃った。曲目と面との対応関係も確立してきて、下間仲孝が著した能の型付『童舞抄(とうぶしょう)』には、『海士』の前シテ(海士)には「ふかひ・しゃくみ」、後シテ(竜女)には「泥眼」または「ぞう」、「観世には橋姫の面」というように、曲ごとの使用面が書かれている。室町時代の面は本面(ほんめん)と呼ばれ、江戸時代以降の能面の理想・規範とされた。 豊臣秀吉は、伝説の名人龍右衛門の3面の「小面」に「雪・月・花」と名付けたと伝えられる。そのうち、月の小面は江戸城で火災に遭って焼失したが、雪の小面は金剛宗家、花の小面は三井記念美術館に伝えられている。 この時代に活躍した面打ちには、伝説上の人物も含め、三光坊、大光坊(だいこうぼう)、般若坊、真角(しんかく)、東江(とごう)、財蓮、慈雲院、吉祥院、智恩坊、角(すみ)ノ坊、氷見(ひみ)(日氷)、若狭守など、仏師や僧が多い。
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