完全移譲、そして市営バスの終焉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/23 05:57 UTC 版)
「苫小牧市営バス」の記事における「完全移譲、そして市営バスの終焉」の解説
2006年(平成18年)2月に発表された民間移譲検討結果報告では11の案が出され、2007年(平成19年)度からの全面移譲は職員の配置転換が困難で現実的ではないことから他の5年間の猶予を経る案からの検討を行った結果、2007年(平成19年)度より正規職員を段階的に嘱託化させ経費削減を図る一方で、これまでの委託方式を継続し2012年(平成24年)度より全面移譲する方針が固まった。 新経営方針に基づく事業が開始された2007年(平成19年)度は、錦西営業所の委託契約は引き続き道南バスで2年間更新された。2009年(平成21年)度から3年間の委託は準備期間として全面移譲先と契約することを前提としたもので、引き続き受託を希望する道南バス以外に応募はなく、市営バス最終年度も引き続き道南バスへの委託が決まった。2009年(平成21年)内に正式決定される全面移譲先は道南バスのほか、かつて市内路線へ参入の意向を示していたあつまバス、一部で候補のひとつとされたジェイ・アール北海道バスが挙げられたが、応募書類を取り寄せた事業者は複数社あったものの、道南バス以外に応募はなかった。移譲後3年間便数等の維持、嘱託職員の引き継ぎなど、市が提示した条件をほぼ丸のみしたかたちで、この時点で道南バスへの全面移譲が事実上決定した。 2010年(平成22年)2月15日に市と道南バスとの間で移譲に関する基本協定調印式が行われ、2011年(平成23年)度をもって苫小牧市営バスの事業終了と、2012年(平成24年)度からの道南バスへの移譲が正式に決定した。最終運行日となった2012年(平成24年)3月31日は終日無料運行となり、約16,400人の利用客が61年に及ぶ市営バスとの別れを惜しんだ。これにより道内の公営バスは、鉄道路線の廃止代替などで運行する小規模な事業体が残存しているのみとなり、一般路線事業者並みの大規模な公営バスはすべて消滅した。 なおこれに伴い、苫小牧市交通部発行のバスカード「トマッピーカード」は、普通カードが道南バスのバスカードに一本化される他、苫小牧市営バスで設定していた昼間カード・学生カードを引き継ぐ形で、移管路線に限って利用可能なバスカードが道南バスから発行される(苫小牧市交通部発行のカードは移管路線に限って引き続き利用可)。
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