安居渓谷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 05:29 UTC 版)
四国山地は日本列島のなかでも最も古い時期に形成された山地で、主に古生代(5.5億-2.5億年前)の地層から成っている。一方で、安居川の源流域は標高1,859mの筒上山、1,806mの手箱山など、山地でも最高峰の山々が連なっていて、山頂付近は第三紀(6,000万-250万年前)の岩でできている。そして、安居川の下流と支流の狩山川が東西に流れる谷は、三波川変成帯と秩父帯の境界面をなす御荷鉾構造線の直上にあたっている。この断層の影響で、一帯は地質的に複雑な状態にあり、そこを標高1,800mから一気に流れ下ってきた安居川が地層をほぼ直角に貫くことで、安居川の上流部では南北10kmあまりにわたり、青みがかった石灰岩や片岩類による急流、断崖、巨石、早瀬と深淵、滝と瀞が形成されて変化に富む渓谷となっている。 江戸時代には禁制によって谷に分け入ることもままならなかったが、近代以降の伐採によって数々の景勝地が発見された。「乙女河原」、「千仞峡」、「背龍の滝」、「みかえりの滝」、「水晶淵」などがあり、なかでも「飛龍の滝」は1957年(昭和32年)に初めて発見されたもので、落差が50mある。さらに奥には2001年(平成13年)の伐採で見ることができるようになった落差60mの「昇龍の滝」がある。渓谷は新緑や、針葉樹と紅葉がコントラストを成す秋の景勝地としても知られている。
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