好敵手 Take a Match (1972)
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「木星買います」の記事における「好敵手 Take a Match (1972)」の解説
タキオン宇宙を経て空間ジャンプした宇宙船の周りは、暗黒の空間だった。星も見えないということは、宇宙雲の中に出たらしい。雲を観測した乗組員は、水酸基とフォルムアルデヒドが主体で、水素は5パーセントしか含まれていないことを確認した。核融合士は言った。「水素が少ないとスクープして燃料にできないし、水酸基とフォルムアルデヒドはエンジンを故障させてしまう。このままの慣性速度では、宇宙雲を出るのに何ヶ月も、いや何年もかかってしまう」と。核融合士は自分の部屋に閉じこもってしまった。彼は宇宙船の航行については、船長以上の権限を持っているので、船長もうかつに命令できない。船の窓から外を見ている乗客たちのあいだにも、星が見えないことへの不安が起き始めていた。その中の1人、小学校8学年の教師である初老の男マルタンは、船が置かれている状況を見抜き、その解決策を考えだした。 それは学校でも教えている簡単な化学反応で不純物をなくす方法だった。人生経験の長いマルタンは、誇り高き核融合士という職業を知っていたので、直接には伝えなかった。その代わりに、核融合士と仲良くなった若い女性乗客ウインターにさりげなくヒントを話し、伝言してもらった。最初は小学校の先生の話など聞く耳を持たなかった核融合士だが、やがては真剣に考えるようになった。 やがてマルタンが船長室に呼び出されていると、例の奇妙な感覚がして窓の外には星が現れた。船がジャンプに成功したのだ。船長は「宇宙船が救われたことは、あなたがアイデアを出したとしても、核融合士の手柄にしなければならない。それを口外されないために、船が到着するまであなたは軟禁状態におかれる」と言った。マルタンが「口外するかもしれないもう1人の乗客、ミス・ウインターと一緒に軟禁してほしい」と答えた。船長は同意した。
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