奥越地域総合開発事業
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/27 13:48 UTC 版)
九頭竜川の電源開発は戦後北陸電力や電源開発によって上流部に発電用ダムの建設計画が進められた。一方、1959年(昭和34年)の伊勢湾台風や1961年(昭和36年)の第2室戸台風による水害を契機に建設省も九頭竜川水系の総合開発計画を策定した。すでに福井県によって1951年(昭和26年)より真名川総合開発事業が始まり、笹生川ダム(1957年完成)や雲川ダム(1956年完成)が建設されていたが、九頭竜川本川上流部に大規模な多目的ダムの建設を骨子とした九頭竜川総合開発事業が1961年より着手された。これにより水系最大のダムである九頭竜ダムが建設され、発電施設として揚水発電である長野発電所や鷲ダム・仏原ダム・山原ダム・石徹白ダムが相次いで建設された。 だが1965年(昭和40年)明治以後では最悪の水害・奥越豪雨が流域を襲った。この時には上流で3日間で1,044mmの猛烈な豪雨が降り注ぎ、笹生川ダムは堤頂全体から越水し決壊の危機に襲われ、下流の西谷村(現・大野市)中島地区は壊滅的な被害を受け集団移転の憂き目に遭った。さらに九頭竜川でも勝山市内で堤防が決壊。住宅5棟、工場1棟が流出、住宅3棟が半壊した。こうしたことから建設省は九頭竜川水系工事実施基本計画を1968年に改訂、この中で更なる洪水調節を図るため真名川ダムの建設に着手、1978年(昭和53年)に完成した。支流においても福井県によって日野川総合開発事業・竹田川総合開発事業などが実施され、広野ダム・桝谷ダム・龍ヶ鼻ダム・永平寺ダム・浄土寺川ダムなどが完成。現在、吉野瀬川ダムが建設中である。
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