契約・報酬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 00:53 UTC 版)
プロ野球選手は自営業者・個人事業主として球団会社と業務契約を結んでいる。よって、球団会社の契約社員ではない。NPB所属選手の報酬はメジャーリーグや欧州サッカーなどと同様に日本国内の他のプロスポーツと比べても破格である。支給は年俸制。2016年のNPBに所属するすべての支配下選手登録選手(育成選手をのぞく)の平均年俸は3,712万円である。 1980年代前半までは平均年俸は1,000万円未満であったが、1987年中日に移籍した落合博満が球界で初めて年俸1億円を突破するなど徐々に年俸は上昇し、1993年のFA制度が導入されると年俸の高騰が進んだ。 年俸が1億円以上の選手は1億円プレイヤーと呼ばれ、一流選手のステータスと見なされることもある。NPBにおける1億円プレイヤーの日本人選手は、2014年シーズンでは61人であったが、2017年シーズンでは76人へと増加している。 NPB所属選手は契約更改という形で毎年契約を更新する単年契約が一般的であったが、1993年オフに当時オリックスに在籍していた酒井勉が、3年という日本球界史上初の複数年契約を結んだ。その後、FA宣言による他球団移籍が一般的になり、FAによる移籍、あるいは他球団流出防止のための残留のいずれでも(日本人選手、外国人選手を問わず)複数年契約を結ぶケースが増えるようになった。一例として、 杉内俊哉 - 2011年のシーズンオフに、ソフトバンクから巨人へと移籍した際、「4年契約・総額20億円」の契約を結んだ。 中村剛也 - 2013年のシーズンオフに、西武との(残留のための)延長契約を結ぶ際、「4年契約・総額20億円」の契約を結んだ。 リック・バンデンハーク - 2016年6月に、ソフトバンクとの(残留のための)延長契約を結ぶ際、「3年契約・総額12億円」の契約を結んだ。なお、外国人選手の場合は、シーズン中に(残留のための)延長契約を結ぶケースが少なからずある。 プロ野球選手の報酬は各選手の活躍に応じて大きく変動し、成果主義の典型的なモデルとみなされることもある。報酬の支払いについて定期昇給や賞与の制度は定められていないが、成績に応じた出来高払いの契約を結んでいる選手もいる。ただし年俸の減額に関しては野球協約92条で制限が設けられており、年俸1億円以上の選手の場合40パーセント、1億円未満の選手の場合25パーセントを超える減額は原則行われない(減額制限以上の減俸を行う場合は戦力外通告と同じ期間内に選手の同意を得る必要があり、選手が同意しなかった場合は球団はやはり当該選手を自由契約としなければならない)。
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