大阪府下の火力発電所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 15:07 UTC 版)
大阪送電計画に関連し、送電先の大阪には渇水時の補給用に火力発電所が新設された。これが毛馬発電所で、1万2,500kWの出力をもって1922年10月に完成した。淀川沿いの大阪市友渕町に位置し、ウェスティングハウス製の蒸気タービン・発電機各1台をそろえる。 続いて1923年10月、大阪電灯から火力発電所3か所、安治川東発電所・春日出第一発電所・春日出第二発電所を買収した。旧大阪電灯では火力発電所を計4か所運転していたが、大阪市内事業の市営化に際し安治川西発電所だけが市へ移管されたため、残る3か所を大同電力が取得したという経緯がある。3か所とも大阪市内の安治川沿いに立地する。 安治川発電所 出力1万8,000kW。大阪電灯では「安治川東発電所」と称す。ウェスティングハウス製の蒸気タービン・発電機を各2台設置し、他にも三菱長崎造船所製の蒸気タービンを1台、三菱電機製の発電機を1台設置する。 春日出第一発電所 出力3万kW。三菱長崎造船所製の蒸気タービン・発電機を各3台設置したが、後年、タービンは石川島造船所製2台と日立製作所製1台に、発電機は芝浦製作所製2台と日立製1台にそれぞれ交換されている(1937年12月竣工)。 春日出第二発電所 出力4万kW。ウェスティングハウス製の蒸気タービン・発電機を各2台設置する。後に石川島芝浦タービン製の蒸気タービンと芝浦製作所製の発電機各1台が増設された(1938年1月竣工)。 4か所の火力発電所はいずれも門真村の大阪変電所と連絡した。またこれらの火力連絡送電線以外にも大阪府下での送電線建設が進められ、自社電力供給区域に編入した大阪府南部の繊維工業地帯(下記#一般供給の推移を参照)に対する送電のため、大阪変電所を起点に岸和田変電所(岸和田市郊外)と佐野変電所(泉南郡佐野町、現・泉佐野市)へと至る77kV線の岸和田送電線を1923年12月に完成させた。
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