大松明の製作
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 01:37 UTC 版)
結初式の翌日より大松明の製作が始まる。大松明はかつて大中小の3種類の大きさがあったが、2012年現在では、大11尺(高さ約327センチ、上部直径約42センチ)と、中10尺(高さ約310センチ、上部直径約36センチ)、底面の直径はそれぞれ約90センチの2種類である。(厳密には、地区内の小学校や保育園などから高さ170センチほどの子供用松明が、毎年3-4基ほど奉納される。これは職人の指導を受けながら各機関の関係者によって作られる。)このうち、11尺の大松明は御旅所用の2本のみで、残りはすべて10尺の大松明である。結初式の後、最初に作られるのがこの御旅所用の11尺の2本である。 大松明の中に詰められる薪は経木と同じくアカマツが使用される。細かく裁断した薪を順々に重ね合わせながら、松明の芯となるヒノキを中心に立て、縄を幾重にも張りながら徐々に組み立てていく。形が整ってきたところで外側を経木で覆い、周囲を何ヶ所も縄で巻き上げていく。最後に松明を横にして、下部から隙間に薪を入れたり、底部を何度も叩いたりしてバランスを調整する。なお、最上部には点火がスムーズに行われるよう松脂(マツヤニ)の束が置かれる。 大松明は1基の重さが200キロにもなり、燃え尽きるのに約4時間半から5時間かかる。この大きさの松明が、上部に点火され最後まできれいに燃え切るためには、薪の大きさや、割り方、組み方、隙間の調整など微妙なさじ加減があり、長年の経験による熟練した技巧を要する。1日に作られる大松明は平均3基から4基で、20日間ほどをかけて70数基の大松明が作られていく。
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