大村横穴群とは? わかりやすく解説

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大村横穴群

名称: 大村横穴群
ふりがな おおむらよこあなぐん
種別 史跡
種別2:
都道府県 熊本県
市区町村 人吉市城本町
管理団体 人吉市(大11・523)
指定年月日 1921.03.03(大正10.03.03)
指定基準 史1
特別指定年月日
追加指定年月日
解説文: 凝灰岩ヨリレル丘陵南側ニ穿タレタルモノニシテ現存セルモノ約二十餘個アリ横穴外壁各種装飾模様ヲ彫リ出セリ

大村横穴群

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/12 23:28 UTC 版)

東群
画像左端の11号横穴の外壁において線刻が認められる。
西群
大村横穴群
大村横穴群の位置

大村横穴群(おおむらよこあなぐん、大村横穴墓群/城本横穴群)は、熊本県人吉市城本町にある横穴墓群。国の史跡に指定されている。

概要

熊本県南部、人吉盆地中央部の球磨川北岸の村山台地南側、阿蘇溶結凝灰岩の崖面約800メートルに渡って営造された横穴墓群である[1]。東西2群に分かれ、計27基から構成される。早い段階から学界で注目され、1916年大正5年)に調査が実施されている[1]

各横穴墓の構造は、被葬者を埋葬する玄室の前に、羨道・羨門を持つという高塚古墳(墳丘を持つ一般的な古墳)の横穴式石室と同様のものになる[1]。玄室は隅丸方形で、屍床を2区または3区設ける[2]。羨門は方形またはドーム形で、多くは周囲に飾り縁を持つ[2]。横穴群のうち4・5・7・11・14・15号の6基には彫刻(浮彫)による装飾が認められており、15号横穴の玄室奥壁において線刻二重円文5個が描かれるほかは[3][4]、羨門外壁において動物・武器・武具・幾何学文様(円文・三角文等)が描かれている[2][1]。特に7号横穴では、外壁上部に三角文8個が鋸歯状に並べられ、その右上段には三角文が二重に線刻されているほか、向かって右側に奴凧形の靫が矢10本とともに描かれる[3][4]。さらに左外壁には馬5頭が線刻されており、躍動的・立体的に描かれる点で注目される[3][4]。また11号横穴では外壁左側に靫2個・円文5個・刀子など、右側に靫1個が描かれ、14号横穴では上部に車輪形・盾、左に靫2個が描かれる[3][4]。なお、横穴群の付近で蕨手刀・須恵器1個が出土したというが、詳らかでない[3][4]

この大村横穴群は、古墳時代後期-終末期6世紀-7世紀代の営造と推定される[1]。全国に約600基、熊本県に187基ある装飾古墳のうちであり[2][1]、装飾古墳の多い熊本県を特徴づける遺跡の1つになる。

遺跡域は1921年(大正10年)に国の史跡に指定されている[5]

遺跡歴

文化財

国の史跡

  • 大村横穴群 - 1921年(大正10年)3月3日指定[5]

交通アクセス

手前に人吉駅、奥に大村横穴群

脚注

  1. ^ a b c d e f g 史跡説明板。
  2. ^ a b c d e 大村横穴群(国指定史跡).
  3. ^ a b c d e 大村横穴群(平凡社) 1985.
  4. ^ a b c d e f 大村横穴墓群(古墳) 1989.
  5. ^ a b c 大村横穴群 - 国指定文化財等データベース(文化庁

参考文献

(記事執筆に使用した文献)

関連文献

(記事執筆に使用していない関連文献)

  • 「史跡大村横穴群保存修理事業概要報告」『ひとよし歴史研究 第8号(平成16年度)』人吉市教育委員会、2005年。 
  • 「大村横穴群第27号横穴の温湿度計測について」『ひとよし歴史研究 第19号(平成27年度)』人吉市教育委員会、2016年。 
  • 『史跡大村横穴群保存活用計画書』人吉市教育委員会、2018年。 

外部リンク

座標: 北緯32度13分01秒 東経130度45分15秒 / 北緯32.21706度 東経130.75419度 / 32.21706; 130.75419 (大村横穴群)



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