大型主力製品歴
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1961年、副腎皮質ホルモン剤「デキサ・シエロソン」(デキサメタゾン硫酸塩)を新発売した。200以上の幅広い適応であったが、発売当初は開業医を中心に、主に慢性関節リウマチや変形性関節症(炎)などに使用された。 1966年には病院市場へ参入し、頭部外傷における脳浮腫の予防や拡大防止、手術管理(外科ショック)を中心とした宣伝活動を開始した。その結果、病院市場でも売上が順調に伸び、その後、放射線宿酔や末期癌の疼痛緩和などにも使用されるようになった。 1976年に「ショック研究会」を発足させ、手術管理領域へ本格的に参入。その後、「静脈内投与後の血中濃度の推移から硫酸塩製剤よりリン酸塩製剤の方が速効性がある」とのデータが公表され、他社の販促活動に利用されたため、本剤は苦戦を強いられた。 しかし、この頃実地臨床上効果が認められてきた「末期癌の疼痛に対する大量投与」に集中した販促活動を実施、1977年から1979年に会社の売上の半分近くを占め、経営の太い柱となった。また(1970年から)1980年にかけてシェア1位を継続した。 1979年に薬事法が一部改正され、行政指導であった「医薬品の再評価制度」が法律に基づく制度となった。本剤の投与量についても見直しが行われ売上が急激に減少していった。さらに、1984年の「薬効再評価」では、承認適応の殆どで効果が認められたものの、「外科ショックに効果が認められない」と評価された。その結果、本剤はやむなく1985年に販売を中止することとなった。 マーケットシェアが3割以上であったため、販売中止にあたっては医療現場はもとより流通現場にも混乱を生じさせないようにすることが最大の課題であったが、特別なプロジェクトが講じられ静寂無事に撤退を完了した。 そして、前節に示したように、新薬を次々発売し、新薬の販売ウェートを大きくすることへとシフトしていった。
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