多文化主義・世俗主義と食のタブー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 07:34 UTC 版)
「食のタブー」の記事における「多文化主義・世俗主義と食のタブー」の解説
多文化主義が浸透している社会では、特定の宗教や信条によって課せられている食のタブーに配慮した食事を選べるようにすることが普通になっている。宗教や医学的な背景から、多くの国籍(宗教)の人の利用が想定される国際線航空便の機内食の場合、会社にもよるが、出発24~48時間前までに申し込めば、イスラム教やユダヤ教、菜食主義者など特定の宗教や信条に対応した料理や、低脂肪、低塩分、低(高)タンパク質などの料理といった、特別な機内食が配られる体制を持っている会社が多い。このほか、学校や病院の給食でも同様の対応が見られる。 宗教による食のタブーはステレオタイプに理解されがちだが、どの程度遵守あるいは違反を許容するかは、地域・集団や個人による。ほかの集団との交流が一般的な現代の都市生活では厳格すぎる規律は支障が多いため、実態としては多様化の傾向にある。たとえばカシュルートで知られるユダヤ教徒の中でも、合理的に考えて納得できない規範はあえて無視する改革派のラビや、タブーをまったく意に介さない世俗派と呼ばれるユダヤ教徒が現れている。ユダヤ教徒が多いイスラエルのテルアビブでは豚骨ラーメン店が増えており、ある来店客は「世俗派なので豚肉を食べる」と話している。 イスラム世界では禁止される酒の製造・販売や飲酒が、人目を避けて行われている国も多い。 一方で、自らが信じる食のタブーを基準に、他者を非難・攻撃し、時には殺害に及ぶ者もいる。
※この「多文化主義・世俗主義と食のタブー」の解説は、「食のタブー」の解説の一部です。
「多文化主義・世俗主義と食のタブー」を含む「食のタブー」の記事については、「食のタブー」の概要を参照ください。
- 多文化主義・世俗主義と食のタブーのページへのリンク