外見の意味
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/01/19 13:48 UTC 版)
鳥の糞に似た外見は、1齢のチョウの幼虫等に多く見られるのと同じく隠蔽型擬態であると考えられる。鳥の糞を好んで食べるクモの捕食者はいないからである。 これに対し、攻撃型擬態とする説もあった。チョウやハエなどには、糞の汁を吸うために鳥の糞に近寄ってくるものがある。鳥の糞に似た外見を持つことによって、そのような習性を持つ昆虫をおびきよせて捕まえている、と考えられたのである。 後で述べるように、トリノフンダマシは夜行性で、夜に網を張ることが判明したので、攻撃型擬態との判断は、現在では考えられていない。 後付けであるが、この説には疑問が多かった。まず、トリノフンダマシは葉の裏面に止まっていることが多い。これでは糞に擬態した意味がない。また、コガネグモ科は普通は網を張って餌をとる仲間であるので、そのような匍匐性のクモのような餌の取り方をするのも妙である(そのような例がない訳ではないが)。 一方、特にオオトリノフンダマシの腹部には、カマキリの頭部の複眼、触角の基部、顎に似た模様がある。生態的な意義は証明されていないが、クモを捕らえる小型のハチをカマキリが捕食する事は事実である。 アカイロトリノフンダマシやサカグチトリノフンダマシについては、テントウムシ類に擬態している可能性がある。テントウムシ類には、悪臭のある液を出すものがある上、派手な色は警戒色である可能性があるから、それに擬態するものがあって不思議はない。ただし、この場合も攻撃的擬態ではないことになる。 なお、鳥の糞の姿に攻撃的擬態しているとされるクモはカニグモ科にある。日本ではカトウツケオグモというクモがそれらしい姿である。熱帯系の珍種で、体はでこぼこで刺が生え、腹部もでこぼこだらけだが、つやがある。体色は黒っぽいオリーブ色で、あちこちに白い部分がある。草の葉の上面にとまっていると、鳥の糞に見えなくもない。
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