基本設計・受注
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 16:18 UTC 版)
多くの場合、船主は複数の造船会社へ引合を出しているので、それらの回答や会社の財務内容、技術レベル、納期の確実性などを考慮して造船会社を決め、「レター・オブ・インテント」と呼ばれる契約書の発行によって「発注」する。造船会社は「受注」する。 (詳しい)基本設計まずは船型を決めていく。船型は搭載量、燃費、最高速度、安全性に影響する最も重要な要素である。商船は大量の荷物を安価に運ぶことができる事を求められるため、積載量と燃費が重要である。軍艦は最高速度や堅牢性が求められる。船主の望む性能を備えた船型が理想である。 主機関、補機の諸元を決めるのもこの段階である。 細長い船体では推進抵抗は少なくなるが復原性が犠牲になり重心を下げなければ安全がおびやかされ、旋回性能も悪化する。 この船型を具体的にどのような構造で作るかを図面化する。なるべく少ない鋼材で必要な強度と使いやすい船内配置にするには、20mm前後の軟鋼製の船の外板を支える構造部材の構成が主要な具体的な設計段階での課題である。 新しい船型や標準船の船型を変更する場合は、有限要素法などのマトリックス法を使った数値シミュレーションによる構造解析や模型船を実験水路で走らせて実計測を行うなどの手法を繰り返して設計を行う。 基本設計のアウトプットは上記3点を図面化した 線図 (Lines)・中央断面 (Midship Section)・概略配置 (GA, General Arrangement)、及び客先との打ち合わせによる仕様書である。 船に機器類をどのように配置するかを図面化して、コンパクトで無駄の無い配置を行う。
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